金融・投資・マーケット
ブラック・マンデーの1987年と2013年の共通点からアベノミクス第2幕を読み解く
[Photo] Bloomberg via Getty Images

 5月23日に起きた、日経平均が一日に1000円を超える暴落に端を発した資本市場の混乱は、まだ不安定ながらも、収束に向かいつつあるようだ。為替レートが円安に戻り、本稿執筆時点で、ドル円では99円台で推移していることがかなりの安心感をもたらしている。

 暴落の過程では、FRBの出口戦略は世界のマネーを「リスク・オフ」(リスクを減少させるという意味)に向かわせるので、安全資産である日本円に資金が集まり、円高材料になる、との説明が見られたが、この説には無理があったように思う。

ドル高・円安は米国の長期金利上昇と共に続いている

 米国の出口戦略実行は米ドルの実質金利を高くする。まだ本格的な入り口に入ったばかりの日本の実質金利低下との差を勘案すると、ドル高・円安の材料になると考えることの方が自然だろう。
 米国の景気が良いことと、将来のFRBの出口戦略実行を織り込んで、ここのところ米国の長期金利が上昇しており、これと平行してドル高・円安が進んでいる。

 もともとアベノミクスでは、円安が主導して株価を引き上げてきた。
 4月4日の通称「異次元緩和」の発表後、株式市場に勢いがついて株価が先行する形になったが、「インフレ目標付きの金融緩和」(将来も緩和が続くとの約束付きの緩和)が日本の実質金利の低下をもたらし、為替レートが円安になって、株価がこれに反応する、という経路で政策の効果が発揮されてきた。

 従って、円安こそがキーポイントであり、為替レートが円安に推移することが、最大の安心材料だ。

 ところで、5月下旬来の株式市場、為替市場の波乱を見ていて思い出すのは、1987年の10月19日(月曜日)に起こった通称「ブラック・マンデー」と呼ばれる世界的な株式の大暴落だ。

 ブラック・マンデーでは、NYダウが一日に22.6%も下落し、この衝撃が世界の株式市場に波及し、翌日の東京市場も日経平均で14.9%の大幅下落となった。
 ブラック・マンデーが起きた理由としては、内外の金融引き締めに対する懸念など、指摘されている要因は幾つかあるが、かくも大きな暴落を正当化するような材料は何もなかった。

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