4月期の連ドラはフジが勝利! 年間視聴率争いのカギを握る7月期ドラマの顔ぶれは? 

 4月期の連続ドラマが終了した。視聴率トップは『ガリレオ』(フジテレビ)。全11話の平均視聴率は19.9%。その面白さについては視聴者のほうが詳しいだろうから、いまさら余計なことは言わない。ハードディスク機器が普及し、ネットやゲームなど余暇の楽しみ方も増えた時代に、約20%の平均視聴率は堂々たる成績だ。

 最近、TBSで『寺内貫太郎一家』や『ふぞろいの林檎たち』などを演出した元同局常務の鴨下信一さんから話を聞かせてもらう機会があったが、「当たるドラマは結果的にお年寄りから子供まで幅広く見てくれる」という。なるほど、湯川准教授(福山雅治)も老若男女に人気だった。F1層(20~34歳の女性)など一部の層にしか受けないドラマでは、ここまでの視聴率は残せないだろう。

 視聴率2位もフジの『ラスト・シンデレラ』。全11話の平均視聴率は15.2%。尻上がりに数字を伸ばし、最終回は17.8%。これも立派な成績と言えるだろう。半面、一部で「いやらしい」などと批判めいた声もあった。モラルの尺度は人によって違うから、難しい。けれど、露骨な性描写があった訳ではなく、『ラスト---』よりも過激なアメリカの連続ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』が広く受け入れられているのだから、許容範囲内だったのではないか。

 個人的に印象的だったのは、ドラマの要所で登場した川柳。いやらしい雰囲気を抑えるための中和剤だったのか、それとも制作者からのメッセージだったのか、あるいはツイッター時代だから、とりあえず、つぶやいてみたのか---。失礼ながら、あまり意味が感じられず、視聴率アップに貢献したとも思えないが、その川柳を様々な形で表現した演出家の苦労はうかがえた。

 視聴率3位は『35歳の高校生』(日本テレビ)で、当代屈指の人気女優である米倉涼子が貫禄を示したが、4位はやはりフジの『家族ゲーム』。4月期のドラマはフジの勝利と言っても差し支えないだろう。

プロ野球とテレビ局の共通点

 ドラマの好成績と軌を一にして、少し前まで活字メディアを賑わせていたフジに関するネガティブな報道が減った。30年ぶりに年間視聴率3位に転落したフジに対しては、一時期、厳しい論調の報道が多く見受けられたが、業績が上がれば、そんな声も自然と収まるようだ。

 ある雑誌では匿名の放送記者が、「フジの凋落は、広報局主催の記者懇親会を取りや止めたことから始まった」と語っていたが、本当だろうか。テレビ局は慣例として、局の幹部と放送クラブの記者たちが語り合うパーティーを催す。匿名の放送記者は、フジがパーティーを中止し、自分たちをないがしろにしたから、視聴率が落ちたと言いたいようだ。

 が、もしも本気でそう考えているとすれば、視聴者を愚弄している。たかだかパーティぐらいで記事の扱いが変わるのなら、制作者たちにも失礼だろう。

 面白い番組なら、活字メディアの扱いにかかわらず、高視聴率を記録する。これだけ情報伝達手段が発達した時代なのだから、番組の正当な評価は瞬く間に広まる。実際、ドラマ評でどんなに酷評されようが、面白いドラマはちゃんと高視聴率を得ている。本コラムも含め、ドラマ評の影響力はあまりないように思う。

 振り返ると、1990年前後はTBSばかりが批判されていた。80年代までは「民放の雄」と呼ばれるほど視聴率が良かったのに、90年前後に失速してしまったためだ。91年の「損失補填問題」のように、責められても仕方がない事象もあったが、過度な批判もあった気がする。

 巨人はV9後の弱くなった時期、袋叩きに遭っているが、テレビ局もトップ集団から転げ落ちると、風当たりが厳しくなるようだ。逆に万年Bクラスが定着すると、あまり批判の対象とならない。プロ野球の球団と同じく、テレビ局も人気稼業の一つらしい。

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