ネット選挙考---不偏不党で"陰ながら応援する"時代は終わるか!?
〔PHOTO〕gettyimages

 ブランデッドなPRとは、少し趣向が違う話題ですが、旬なテーマとして、今回は「ネット選挙」を考えてみようと思います。

「不偏不党」という建前の刷り込み

 IT企業などで作る新経済連盟(代表理事・三木谷浩史楽天会長兼社長)は、今回の参院選でIT(情報通信)政策の推進などを公約に掲げる候補者20人を応援すると発表しています。応援の対象者は「政党」による選別ではなく、「政策」で判断するそうです。新経連が求める医薬品のネット販売の解禁や、各種規制緩和を推進する候補者などを、検討委員会で選抜して、参院選公示前の7月3日に正式発表すると言います。

●「新経連が民主・鈴木寛氏を推薦へ SankeiBiz, 2013.6.26

 日本では、著名人にしろ、一般人にしろ、個人が特定の政党や候補者を応援することを口外することはタブー視されてきたように思います。私は小学生の頃、選挙の投票から帰ってきた両親に「誰に入れたの?」と質問をしたことがありますが、その時、親父はかなりの真顔で「親子でも、夫婦でもそういうことは言わないものだ」と私を諭しました。

 「えっ? そうなの(僕はそんな不味いこと聞いたのか)?」と焦ったことを憶えています。言外に「今後はそういう質問はするなよ」と釘を刺された気持ちがしました。いまから推察するに、個人の思想や政治信条に関する自由(憲法19条で保障されている思想・良心の自由)は、たとえ家族でも踏み入ることができないものだというのが、親父の言いたかったことなのでしょう。

 戦中、戦後を生きてきた昭和9年生まれの両親は、民主主義の根幹として、このことを重く捉えていた気がします。ただ、一方で、"個人の思想・良心の自由を尊重せよ"という教えは、いつのまにか、人前で自分の思想・政治信条を明らかにすることがはばかられるような風潮をつくってしまった面もあるのではないでしょうか。

 「不偏不党」---日本人が好きな言葉の一つだと思います。「いづれの政党、主義にも偏りのない、中立公正な立場である」ということです。日本のマスコミは、この不偏不党を建前として、公正中立な報道を是としています。しかし、実際、各新聞社の記事を読み比べてみれば、読売、産経、朝日、毎日、さらに東京の各論調にそれぞれ、主義の偏りがあることは明らかです。

 それでも「不偏不党」が尊ばれるのは、どこかの政党や政治家に肩入れすることは、特定の思想や主義に偏ったことであまり望ましくないという意識がマスコミにあり、その報道が私たちにも影響を与えているのだと思います。その結果、日本では、政党や政治家は、"陰ながら応援する"ものになったのかもしれません。

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