小笠原、岩村、和田、小久保…
「統一球」に人生を乱された選手たちのホンネ

オリックス戦を終え宿舎のホテルから出てきた岩村。今季はボールが変わり復調の兆しを見せている〔PHOTO〕眞野公一

 球界を揺るがせているNPBの「統一球変更隠蔽問題」。昨年までの〝飛ばないボール〟から、反発力係数を上げた〝飛ぶボール〟に変わっていたことが、シーズンも半ばの今ごろになって明らかになったのだから、呆れるほかない。

  '11年に飛ばない統一球が導入されて以降、多くの打者が不振に悩まされてきた。一昨年に引退した元ソフトバンクの野球評論家・柴原洋氏が話す。

「ボクみたいなアベレージヒッターは、'11年シーズン以降、内野の頭を越えていたはずの打球が捕られたり、内野の間を抜けていたはずの打球が追いつかれるということがよくありました。実際に打った距離感で言えば10mくらいは違いました。ボクよりも苦労していたのはホームランバッター。小笠原(道大・巨人)さんや小久保(裕紀・元ソフトバンク)さんたちですね。小久保さんは、『スタンドに入ったと思ったらフェンスに当たることが増えた』と言っていました。それが体の衰えなのか、球の影響なのかと、多くの選手たちが悩んでいたんです。断定はできませんが、小久保さんは、もし飛ばない統一球が採用されていなければ、まだまだ現役でやれたかもしれません」

 名前の挙がった小笠原も〝被害者〟のひとりだ。'10年まで5年連続3割をマークした強打者が、'11年は2割4分2厘、'12年にいたっては1割5分2厘。日本一にも貢献できず、引退まで囁かれた。'10年オフに当時日本人野手最高の4億3000万円だった年俸も、7000万円と激減。ファンは「もう二度とあのフルスイングは見られないのか」と嘆いたものだ。だが彼は今年に入り、往年の打撃を取り戻しつつある。これなど、統一球に振り回された好例といえるだろう。

 次ページの表のように、中日の和田一浩やヤクルトの岩村明憲など、飛ばない統一球で、明らかに成績が下がった〝被害者〟は数多い。岩村は'11年、メジャーから楽天に入るも、なぜか打球が飛ばず、年俸1億5000万円+出来高から10分の1の1500万円+出来高に。税金の支払いが心配になるほどの大幅減額となってしまったのである。6月15日、オリックスとの試合を終えた岩村を直撃したが、

「ボクたちはこの一件でファンの方たちが野球から離れないよう、なんとか食い止められるようなプレーをしなければ。たかだかボールのことで野球が衰退していくのが一番イヤなので」

 と、あくまで客観的に語るのみだった。

 一方、飛ばない統一球時代の昨季を最後にユニフォームを脱いだ野球評論家・金本知憲氏(元阪神)の意見はこうだ。