磯山友幸「経済ニュースの裏側」

国際会計基準(IFRS)への「当面の方針」を強引にまとめた金融庁の「八方美人」

2013年06月26日(水) 磯山 友幸
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 金融庁の企業会計審議会は6月19日、「国際会計基準(IFRS)への対応の在り方に関する当面の方針」をまとめた。委員の一部からは異論が出たものの、字句修正も一切受け付けず、会長権限で一気に取りまとめた。人事異動の時期が迫り、とにかく一定の結論を出したい金融庁のシナリオ通りに落ち着いたということだろう。

 民主党政権下の「政治主導」で、それまでのIFRS導入論議がストップされ、反対派が大量に委員に任命された。その委員構成が続く現状では、到底、IFRS導入推進派と反対派が折り合うことは難しいとみられていた。それだけに、金融庁からすれば「知恵と腕力で何とかまとめた」と言いたいに違いない。

 だが、公表された「当面の方針」の中味をみると、余りにも八方美人。賛成・反対それぞれの主張を盛り込み、金融庁の事情までも織り込んだ「同床異夢」の産物になっている。

立場によって読み方が違う「当面の方針」

 「国際会計基準に『日本版』 金融庁、株式売却益など独自仕様」---日本経済新聞は審議会が開かれた19日の朝刊で、こう報じた。すでに議論がまとまり、形ばかりの会議が開かれるというのなら、それは見事な"スクープ"と言えただろう。

 だが、意図的に議論の方向性を示し、それを既定路線とするような報道には「裏がある」と見るのが普通だろう。日本版IFRSの導入をことさら強調したかった人たちがいる、ということだ。

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