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大反響 第2弾 明るく楽しく頑張る、すると幸せがやってきた サラリーマン、置かれた場所で咲きました
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 それまで笑顔で挨拶していた同僚はよそよそしくなり、相談に来ていた部下には無視をされる。左遷とは、そういうものだ。しかし、そんな不遇のときこそ、サラリーマンとしての矜持が試されている。

のぼせ上がった挙げ句

 サラリーマンを題材にした多くの著書を持つ、作家の江坂彰氏は言う。

「企業のトップには、一度出世コースを外れた経験のある人が意外なほど多い。たとえば、この6月に社長就任が決まった東芝の田中久雄氏がそうです。田中氏は東芝の出世コースである事業部ではなく、入社以来調達畑を歩んできた。おそらく、不振の続く東芝に新たな風を送りたかったのでしょう。社内外の誰もが驚いた社長抜擢でした。

 トヨタ元会長の奥田碩氏も、一度は挫折を経験しています。経理部時代に上司とぶつかり、'72年の秋にマニラへ飛ばされたのです。しかし腐らず、現地に溶け込もうと、英語の勉強を徹底的にやった。学生時代に読まずに放っておいた本を片っ端から読み、知識を蓄えた。事実上の左遷だったにもかかわらず、結果を残し本社に登用された。その後、社長まで上り詰めたのです」

 半導体商社・イノテック元役員の西久保靖彦氏(68歳)もまた、左遷を経験しながら見事に返り咲いてみせたサラリーマンの一人だ。

「左遷を経験するまでは、最短記録をつくるくらいの早さでトントン拍子に出世して、49歳で常務になりました。みんなそうかもしれませんが、偉くなると周囲がちやほやしてくれるんですよね。部下もそうだし、総務課の女の子まで『社長になったら秘書にしてください』なんて言って寄ってくる。それでのぼせ上がって、社長以上に偉そうに振る舞ってしまった。