ブルーバックス
『これでナットク! 植物の謎 Part2』
ふしぎと驚きに満ちたその生き方
日本植物生理学会=編

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小学生から大学生、主婦から園芸関係者まで、
幅広い「?」に専門家が徹底回答しました。


はじめに

 植物は、地球上の多くの地域に生息し、その種類は三〇万種におよぶといわれています。それらの植物は光合成により二酸化炭素と水から有機物を合成して自らの栄養にしています。一方、私たちも含めて動物は、これらを食べて栄養としています。同時に植物は、私たちの生存に不可欠である呼吸に必要な酸素を大量につくり出しています。

 つまり私たちの生存と生活は、植物に大きく依存しています。しかし、私たちが学校で習うのは、ごく一般的な植物に共通していることだけで、自然界に生息している実際の植物を見ると、わからないことばかりであることに気がつきます。私たちのまわりは「植物のふしぎな生活」にあふれています。たとえば、植物の葉の形はなぜあんなに違うのでしょうか。一般的には、植物は生育している環境(水、光、温度などの条件)と一体化して、その環境になじむように変化してきたと考えられています。しかし、長い進化の過程で、どうして多様性が生まれたのか、きっとそれなりの理由があるのでしょうが、よくわかりません。

 私たち日本植物生理学会は、こうした植物の営みについて、基礎から応用的な事柄まで、さまざまな角度から研究している研究者の集まりです。学会のホームページ(http://www.jspp.org/)の『みんなのひろば』では、二〇〇三年から一般の方々からのご質問に、学会のサイエンスアドバイザーがお答えする『質問コーナー』を設けています。それは学会と社会とを結び、植物をもっと理解していただき、研究することの重要性をお伝えすることを目的として開設されました。同時に、皆さんからの斬新なご質問が、専門的な研究にプラスになることも期待しています。

『質問コーナー』の開設以来、小学生から「植物」をお仕事にしている方、趣味にしている方まで、多くの方々から質問が寄せられました。中には研究者から見てもすばらしい、生物の根本をついているような質問もありました。私たちは、このような質問に対して、現在までにわかっていることを、できるだけやさしく正確に説明してきました。

 私たちは、こうして集まったご質問とその回答を、もっと多くの方々に知ってもらいたいと思いました。そこで二〇〇六年末までに寄せられた約一一〇〇の質問の中から八四項目を選び、二〇〇七年夏に『これでナットク! 植物の謎』(Part1)を出版しました(その八四の質問は、本書の257ページに掲載してあります)。

 ご質問は、二〇一二年末で総計約二八〇〇に達しました。これは、皆さんの植物に対する尽きることのない興味の証だと思います。そこで今回Part2を出版することにしました。

 本書では八二のご質問を一〇章に分けていますが、どの章から読まれてもわかるように解説してあります。内容は、たとえば素朴ながらじつは奥深い「タマネギのタマはどのようにしてできるのか?」というご質問や、高校の授業がきっかけになった「植物ホルモンにはそれぞれ最適な濃度があるのか?」、さらに「植物は光合成で緑色光を使わないのはなぜか?」というご質問など、さまざまなレベルや内容にわたっています。