メディア・マスコミ
「死ぬまでセックス」が示す、顧客・人脈ポートフォリオの高齢化
[Photo]Bloomberg via Getty Images

 読者は、週刊誌の記事をどこで知るだろうか。毎週決まった曜日に出る新聞広告で知る人もいるだろうし、電車の中吊り広告で見るビジネスパーソンもいるだろう。あるいは、もう週刊誌には関心がなくて、スマートフォンやPCでネットのコンテンツばかりを見ておられるか。

 筆者は仕事柄自宅で新聞を複数購読しているので、新聞広告で雑誌の内容を知ることが多い。新聞広告を見ると、内容の8割以上が分かるような雑誌も幾つかあるので、時間も含めた費用対効果は悪くない。

 新聞広告で雑誌の内容をみて、圧倒的に目に付くのが、高齢者のセックスをテーマにした記事だ。特に、男性向けを意識した週刊誌大手の「週刊現代」と「週刊ポスト」は、共に60歳以上を強く意識したあからさまなセックス記事を毎週のように投入している。

 強くあるにはどうしたらいいかを説くかと思えば、一転して強くなくてもいいという思想を訴えたり、心を語るかと思えば、テクニックのあれこれをカタログ化したりと記事の作りはいろいろだが、60歳以上の男性読者をセックスで惹き付けようとしている点は共通だ。

読者の高年齢化は若者向け雑誌でも変わらない

 食欲とともに性欲は、多くの人に共通に存在する。だから、グルメ記事と共にセックスの記事があることは分かるが、傾向として若い人の方が性欲は旺盛だろう。それなのに、どうしてオーバー60歳のセックスなのか。両誌の想定読者の年齢が、このゾーンにかかって来たこと以外に理由は考えられない。
 かつては、30代、40代の働き盛りのサラリーマンを主な読者にしているように見えた「現代」と「ポスト」だが、かつての読者の加齢がそのまま想定読者の年齢を引き上げている。

 もう少し若い人向けの雑誌にも同様の傾向が見える。
 たとえば、かつての「週刊SPA!」は、20代後半からせいぜい30歳前後くらいの世代で、自己啓発の有効に懐疑的な上昇志向を諦めた男性の若者が想定読者だったように思う。
 しかし、最近の同誌の記事を見ると、アラフォー(40歳前後)男子が、いかにして若い女性とセックスするかということが大きなテーマになっている。
 どうやら、多くの雑誌が、雑誌自体の年月経過と共に読者が高齢化していく現象を抱えているようだ。

 筆者が雑誌の読者が高齢化していく現象を強く意識したのは、週刊誌ではないが、おそらく日本では最もステイタスの高い一般向け総合雑誌である「文藝春秋」が何年か前に「零戦」の特集を組んだのを見た時だった。
 当時の日本の技術の素晴らしさはそれなりに感動的なテーマだが、これが心に響くのは、戦争を知っている世代だろう。同誌の読者の大半がそうなのではないとしても、相当に高齢化した読者層を抱えていることは明らかだと感じた。

 最近関係者から聞いて驚いた話は、「週刊朝日」が主な想定読者層を70代にしたという話だ。同誌は、ノンフィクションライターの佐野眞一氏を起用して橋下徹氏の出自を扱った「ハシシタ」の特集が批判されて、一時は休刊(雑誌の世界では実質的に「廃刊」)が噂されるところまで落ち込んだが、最近は、部数が回復傾向にある。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら