「サザエさん一家銅像」課税問題から考える設備投資を増やす秘策+骨太の問題点

 東京都世田谷区の東急田園都市線・桜新町駅前に「サザエさん一家」の銅像がある。桜新町はサザエさんの原作者、故長谷川町子さんが長年住んでいた街。「波平」の「髪の毛」が抜かれるなどのいたずらにもあったので有名な銅像だ。その銅像に、固定資産税が課税されるとの報道があった。

 銅像に課税という意外感と、その対象が「サザエさん一家」という話題性で、テレビなどで格好のニュースになった。実は、ここに設備投資を増やすカギの一つが含まれているのだが、それに言及したニュースはなかった。

設備投資をいかに増やすかが経済成長のカギ

 設備投資は、成長の源泉だ。需要増加になるので、当面のGDPを増加させるのに役立つが、将来の潜在成長率の引き上げにも役に立つ「優れもの」だ。

 これまでの設備投資の推移を見てみよう。小泉・安倍政権の間は結構伸びていたが、そのほかの政権は安定して伸ばせてない。成長戦略の成否は、いわば設備投資をどれだけ伸ばすかで判断できる。この意味で設備投資が経済政策のカギを握っているといっても過言でない。
 

 設備投資をどのように伸ばすか。標準的な経済理論では、GDPの増加と金利の動きでかなり説明できる。GDPの増加は設備投資が伸びると増えてくるので、好循環になれば加速度的に設備投資が爆発する。とりあえず、イニシャル・キックは、金利の低下である。

 ここでの金利は名目金利でなく、実質金利(=名目金利-予想インフレ率)だ。名目金利が上昇したといって、マスコミがから騒ぎしていることは、1ヵ月ほど前の5月20日付け本コラム「経済が良くなれば財政も良くなるに決まっている! 長期金利上昇"から騒ぎ"の背後に透ける財務省の思惑とは」で書いた。

 ポイントは名目金利が上がっても、実質金利が下がれば問題ないということだ。最近では実質金利も若干上昇しているが、それでも、1年前、2年前と比べれば低くなっている。こうしたオーバーシュートは市場によくある。日々の動きに一喜一憂せずに、あくまで傾向をみていればいい。実質金利は低下傾向である。ここのサイト(http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata05.html)の実質イールドがその一つの例である。

 それでは、金融緩和によってどの程度の設備投資がでてくるだろうか。これまでの実質設備投資と実質金利(ここではデータの制約から予想インフレ率の代わりに実現されたインフレ率をとっている)の関係をみると、以下の図のとおりだ。

 金融緩和による実質金利が1年前と比べて2%程度低下させるだろうから、それだけで10兆円弱の設備投資を増加させる公算が高い。

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