津田大介×福田峰之×奥野総一郎×石川和男「ネット選挙解禁で政治は良くなるのか?」
【第3回】 「政治参加の参入障壁を下げることにつながってほしい」

[左から] 津田大介さん(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)、福田峰之さん(自民党衆議院議員)、奥野総一郎さん(民主党衆議院議員)、石川和男さん(政策家/社会保障経済研究所代表)
※この原稿は、5月9日20時半~21時半に行われた「政策講談」第4回を書き起こしたものです。書き起こしにあたっては、読みやすくするために必要最低限の編集を行っています。

【第2回】はこちらをご覧ください。

政治がもっと身近になる

津田: ネット選挙解禁というと、投票行動や選挙ばかりが注目されるんですけど、ネット選挙を解禁することで政治家の人がネットに来ざるを得なくなるじゃないですか。アカウントもつくって、少なくとも対話を始めることになる。

 そうすることで多様な利害関係者の意見を吸い上げて、それによって政策とか、行政とかが変わる。有権者から見れば、意見を出すことで変わるという、選挙以外の時の政治との関わり方が身近になる。その部分が、すごく大きな意味を持つ気がしますね。

福田: 津田さんには本当にいいことを言っていただいた。実はネットって双方向性でしょ。これが一番意味があるところ。僕のホームページやブログとかにもいろいろな意見が来ますが、通常観ている人は1日500人くらいしかいないし、意見を言って来る人は本当に詳しい人やマニアだったりする人が多い。

 ですからその書かれたことがマスかというとマスではないんですね。ところが、選挙期間になると1日に5000人や6000人が見て、そこで出てくる意見というのは、今まで関心がなかった人たちの意見も含めて入ってくるから、非常に貴重。

津田: 普通の人たちの意見も入ってくる。

福田: そっちの意見がすごく重要なんですね。ネット選挙を解禁することによって、選挙期間中にいろんな意見を双方向性でやりとりできるというのが政治家にとって宝なんです。通常の意見を信じていないということではないけど、さっき言ったように、特定に人の意見が多いから、バイアスがかかっているんですよ。

津田: お二人の中は、ネットやメールで来たものがキッカケでご自身の政策などが変わったという事例ってあります?

福田: 僕は原発が問題になっていたときに、原発のシンポジウム(2011年9月18日に「『原発』今こそ考えよう」を開催。パネラーは、河野太郎衆議院議員、原発設計者の後藤政志氏、元西武百貨店社長・水野誠一氏)をやったわけですよ。

 普通、自分の選挙区で演説会をやるとなると、いろんな自治会長とかに持って行って動員みたいな形で無理矢理人を集めて来ることをして、いつもいる人が同じなのよ。

 ところが、原発のシンポジウムをやったときには、ネットを使って、いつものような動員をかけないでやったんですよ。そうしたら今まで直接フェイス・トゥ・フェイスではなかったようなネットでつながっていた人たちが結構来た。

津田: 全然違った人たちが来た?

福田: 来たの。その瞬間にはネットがリアルになるんだけれども、そういう効果がある。あと、オフ会にも結構人が来るね。

津田: 何人くらい来るんですか?

福田: 1つのテーブルで10人くらいの感覚でやりたいので、あまり大規模ではない。たとえばオフ会やりましょうという場合、「何時にここに僕はいるから、たまには政治の話はどうですか?」みたいなことを呼びかけると、知らない人が来るよ。これは面白い。僕が誰かわからなくて来る人もいるけど(笑)。

津田: 奥野さんはそういう事例はないんですか?

奥野: 地元の航空機の騒音の話が千葉市はあるんです。それに取り組んでいますという話をネットですると、それに関する話なんかが、ダイレクトに入ってきますね。陳情には、そういう話がいっぱい来ますから、そういう声をもとに動いています。

石川: 政治家の方のTwitterやFacebookは私もたくさんフォローさせてもらっていますけど、逐一答える政治家もいますよね。すごい大変だろうと思う。たまに炎上しちゃったりもするし。逆に、全然答えない人もいる。逐一答えるのは大変でしょう? そういう時間はあるんですかね? 国会議員はめちゃくちゃ忙しいでしょ?

福田: これは人によって違うんですね。僕の場合は全部には返さない。それは表明していますから。表明しておくのが重要だと思うんですよ。全部返すなら返せばいいし、皆さんのご意見は政策に反映させていただきます。全員に回答できない場合もありますよと、事前に言っておけばいい。

石川: 奥野さんはどうですか?

奥野: Twitterはほとんど返さないんだけど、ダイレクトに来るメールは全部読んで丁寧に返していますけどね。

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