中国
海洋権益問題を政治的アイデンティティとする習近平・中国との関係再構築には、台湾の存在を最大限に重視すべきである!
〔PHOTO〕gettyimages

 日本ではあまり話題になっていないが、6月13日に、北京の人民大会堂で、習近平共産党総書記と呉伯雄国民党名誉主席の首脳会談が開かれた。習総書記は、2月25日にも連戦国民党名誉主席と会談しているので、3月の全国人民代表大会を挟んで、約4ヵ月ぶりの国民党幹部との会見となった。

 今回の会談は、習総書記にとって、いわば6月7日、8日の米中首脳会談の「延長戦」にあたるものだった。さらに言えば、①中南米3ヵ国歴訪、②アメリカでオバマ大統領と会談、③台湾の呉伯雄国民党名誉主席と会見、という一線上に続く習近平外交のトリを飾る重要な会談だったのだ。日本ではオバマ・習近平会談ばかりにスポットを当てているが、これらはいわば「三部作」なのだ。

 習近平という指導者はそもそも、台湾や海洋権益の問題を、ことさら重視している。それは、1985年から2002年まで17年間を過ごした福建省が管轄する問題だからだ。換言すれば、習近平利権とは福建利権であり、福建利権は習近平総書記の「核心的利益」に関わる問題なのである。

 だから絶対に妥協できない。その領域で外国と安易に妥協すれば、習近平という政治家のアイデンティティは喪失してしまうのである。

「両岸は一家である」

 さて、この日の「習呉会」で、習近平総書記は、以下の4点を強調した。

①中華民族の全体的な利益から高度に両岸関係の対局を把握することを堅持せねばならない。中でも最も根本的で、最も核心的なのは、国家の領土と主権を完全に維持し保護することである。

②歴史の発展の趨勢の中で、両岸関係の前途を把握することをはっきり堅持する。中華民族の子女のたゆまぬ奮闘によって、中華民族の偉大なる復興は、前代未聞の光明たる前景を展示している。そして「両岸は一家である」という理念を積極的に煽動することは、中華民族の偉大なる復興の道程において歴史を切り開き、これを共同で実現することにつながるのである。

③相互の信頼と友好、求同存異(同じものを求めながらも相違点が存在する)、実務的な進展を増進させ、共同で一致した立場を取るべきである。

④両岸関係の全面的な発展を、一歩一歩推進していく。まずもって重要なのは、両岸関係の大局的な安定を継続して保持することである。両岸は運命共同体であることを認識し、民族の自尊心を増強させ、中華民族の共同の信念を振興すべきである。

 何だか堅苦しい表現が並んでいるが、要は同じ中華民族なのだから、一致団結して「中華民族の偉大なる復興」へ向けて進んで行こう、と呼びかけているのである。特に①は、尖閣問題を巡る「国共合作」を呼びかけており、日本としても大いに気になるところである。

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