不正・事件・犯罪 裏社会
死者14名を出した抗争に一区切り 道仁会と九州誠道会を手打ちに追い込んだ暴力団社会のある事情
道仁会(久留米市)が久留米署に提出した"宣誓書"

 「血を血で洗う抗争」がようやく終焉か---。

 福岡県に本部を置く道仁会(久留米市)と九州誠道会(大牟田市)が、抗争終結を宣言した。

 ともに幹部が6月11日、久留米署に出向いたのだ。
 九州誠道会は、これ以上、世間を騒乱させることは本意ではなく、「当会を解散する事が一般社会の不安を取り除く唯一の手段であると確信」したとして、「解散届」を提出した。
 これを受けて道仁会も、「同じ過ちを繰り返さぬ事を固く決意致し、現状事態の収束に至ることと決定致しました」と、「宣誓書」を提出した。

 両会の抗争の激しさは、ハンパではなかった。

マシンガンや手榴弾を手に計47件の抗争

 発端は、道仁会二代目の松尾誠次郎会長の引退に伴う跡目争いだった。
 06年7月、決着がつかずに分裂して九州誠道会が発足。
 その翌年の8月18日、道仁会の大中義久三代目会長が、九州誠道会幹部によって射殺され、抗争は一気にヒートアップした。
 これまでに47件の抗争事件が発生、一般人を含めて14名が死亡している。

 マシンガンや手榴弾まで用いられる激しさは、拳銃などで抗争相手の玄関や窓を威嚇射撃するところから始まる他地区の抗争を凌駕する。


 それだけに福岡県などこれまでに抗争の舞台となった4県の公安委員会は、昨年12月、 「警戒区域内での暴力団事務所への出入りや、5人以上、集まったことが確認された場合の即、逮捕」を盛り込んだ「特定抗争指定暴力団」に指定した。

 これは、2012年10月に施行された改正暴力団対策法に基づくもので、指定されたのは全国初。縄張り内での集合が禁止された効果は大きく、「終結宣言」も「規制の効果」と指摘されている。

 警察当局の行政や金融機関などに働きかけた「暴力団排除」は、暴対法施行から20年を経て、徐々に実を結ぶようになった。

 「暴対法だけでは、暴力団排除は機能しなかった。法改正を重ね、暴力団構成員と準構成員の認定作業を進め、行政に働きかけて公共工事から締め出し、金融機関と組んで証券口座や銀行口座を開けなくし、暴力団排除条例の全国施行で、一般人が暴力団と親密に交際することを禁じた。さらに、改正暴対法で『集まれば即逮捕』の強権を警察に与えた。そうした積み重ねが、暴力団員を激減させている。今回の終結宣言もその流れのなかで起きた」(警察庁関係者)

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