ネット書店で次々1位、男を箍(タガ)にハメて吸い尽くすタガメ女とは何か?

男の社会的リソースと収入をチューチューと吸い尽くす

深尾葉子氏

「いまの日本社会って幸福度が高いとか言われますけど、はたして本当にそうでしょうか? なにか『これが幸福のあり方だ』という箍(たが)に縛られて、自分たちは幸福なんだ、幸福に違いないと思い込みながら必死に試練に耐えているような、そんな気がするんです」

 こう語るのは日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体(講談社+α新書)を著した深尾葉子・大阪大学大学院経済学研究科准教授である。深尾氏は、サラリーマンに典型的な、妻や恋人に行動や思考までもガッチリと縛られ、チューチューと生き血を吸われるかのように社会的リソースと収入を搾取される夫、彼氏という男女のあり方を「タガメ女」と「カエル男」と定義する。

「日本のすばらしい財産であるべき里山を乱開発で消滅させたことで、そこに生息していたタガメやカエルたちは絶滅の危機に瀕しています。ところが、その里山の跡に建てられた都市郊外の集合住宅に住む人間たちは『タガメ女』と『カエル男』と化していく。まるで、失われた里山の呪いのようです」(深尾氏)

 カエル男たちはそれでも働いてタガメ女に報いようとする。「私たちに奉仕するのがあなたにとっての幸せなのよ」という箍にハメられているかのように――。

 そう、タガメ女は箍女(たがめ)でもあるのだ。

家庭内の殺人、暴力の温床は「タガメ女の呪い」にあった

『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』
著者:深尾 葉子
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「昭和40年くらいまでは日本の社会に働く女性がいっぱいいたんです。それが、サラリーマン社会の定着によって『専業主婦』となっていきました。家事、子育ては、農家なら畑仕事、工場や商店なら従業員といった労働をしながら行うものだったのですが、それが妻の『専業』となりました。つまり、主婦だけやっていればいい、ということです。

 これで負担が減ったから妻たちは幸せになるかといえば、そうではありません。この『専業主婦』の座におさまるまでの競争の激しさ、さらには3組に1組が離婚してしまうという現実があります。タガメ女としては、苦労してせっかく捕まえたカエル男を逃がさないよう、がんじがらめにして絞りつくさなければならないという箍に、自分自身もハメられていくのです」