名目GDP成長率3%では先進国でビリ!「増税至上主義」の財務省の影響がにじみ出る「久々の骨太」には大いに不満あり

 6月6日の経済財政諮問会議は、久々の「骨太方針」がでるというので、注目していた。「骨太」は 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」という名称で、2001年から2007年まで作成された。筆者は、経済財政諮問会議特命室メンバーとして、かなりの素案作りに関わっていた。

 骨太に入る前に、最近の株価の急落でアベノミクスは終わりとかいう極論がでているが、いささか議論が稚拙だ。そもそも、株価を上げるのがアベノミクスの目標ではない。株価の動きは気まぐれであり、急ピッチの上昇の後には、一休みの調整局面になる。

CPUがエンジンになった小泉政権

 2000年代の日本、アメリカ、イギリスの株価について半年間の上昇率を調べてみよう。

 これによれば、40%以上の上昇も下落もほとんどないことがわかる。最近の日本の株価は半年間で80%近い上昇だった。これはちょっとなくくらいに大きな数字だ。そこで調整が行われているのだろう。それでも、まだ40%台の高い数字になっている。半年前に比べて40%も値上がりしているのだ。(このほかの論点について、例えばアベノミクスの経済への波及効果は、『「株安でアベノミクスは頓挫した」と、1割の可能性にBETする危ない橋を渡る人たち/高橋洋一氏インタビュー』 synodos.jp/newbook/4387 の図などを参照してもらいたい)

骨太に戻ろう。

骨太は、小泉・安倍政権で作られていたもので、「大きな傘」といわれ、マクロ経済を踏まえた総論がしっかり書き込まれて、その傘の下で各省大臣が各論を作り、工程表に基づき経済財政諮問会議で発表し、その進捗状況をフォローするという仕組みだ。

ここでのポイントは、マクロ経済をしっかりと把握しているかどうかだ。第二次安倍政権は、安倍首相という立派な司令官はいるが、具体的な指示を出せる「司令塔」が不在だといわれている。

小泉政権のときには、竹中平蔵氏が司令塔になっていた。それを補助するために、経済財政諮問会議特命室が作られた。民間議員が提出するペーパーの素案作り、「4人会」といわれた民間議員+竹中平蔵大臣の打ち合わせミーティングが経済財政諮問会議の前後に頻繁に行われるとともに、「CPU」(Communication Policy Unit)も並行して毎週日曜日の夜に某ホテルに集まって行われていた。

CPUは、アメリカで大統領を支えるごく少数5人ぐらいからなる非公式の組織であるが、それを意識して、竹中大臣のイニシアティブで行われていた。そこには当時の安倍氏も含まれていた。

こうしてしっかりと議論されたペーパーに基づき、経済財政諮問会議はガチンコ議論を行い、政策決定をしていった。

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