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血液型より正確
あなたの性格はDNAで決まっていた

週刊現代 プロフィール

 また、セロトニンに関する遺伝子を比較してみると、アメリカ人では、セロトニンの影響が弱くて非常に楽観的なタイプ(遺伝子型L/L)が全体の30%超いるが、日本人だと1・7%しかいない。逆に日本人の70%近くは、非常に慎重な性格のタイプ(遺伝子型S/S)だという。

「日本人は、人前で自己主張することが少なく、新しいことにチャレンジする意欲は比較的弱い。それだけに、損害回避能力に優れているため、あまり無茶なことはしません。一方、アメリカ人は、新しいビジネスにチャレンジする人や、スポーツの大舞台で爆発的な能力を発揮する選手が多い。なんとかなるさ、という楽観的な考えで突き進む人が多いといえます」(佐川氏)

 このDNA検査による性格分析は、すでに国際的にはスタンダードになっているという。

「たとえばアメリカでは、DNA検査でわかった性格を企業の人事配置に役立てたり、教育方法やスポーツ種目の適性を判断したり、さらには軍隊のマネジメントにまで利用しています。それが常識になりつつある。

 アメリカ以外では、中国や韓国でも、積極的に取り入れられている。日本は後れをとっているのです」(佐川氏)

 この性格検査を利用すれば、明朗で積極性の強いタイプは営業職、緻密で論理的に物事を考えられるタイプは経理職、などと適材適所の人事配置ができる。また、学習塾などでは、好奇心旺盛な生徒と忍耐強く地道に努力する生徒のクラスを分けて勉強させたほうがはかどる、というわけだ。

 DNAで自身の性格を知ることは、企業などの組織的な利用だけではなく、個人の「生き方の戦略」としても重要になってくる。中原氏が指摘する。

「就職活動の際などに、検査結果を基にして自分の積極性などを売り込むこともできます。それに、本当の性格が自己認識と異なる場合も多いですし、客観的な検査で知ることで、『私は慎重で消極的すぎる性格なのだから、ここは思い切って決断してみよう』などと、コントロールすることができるのです」

 企業が社員の適性を判断する場合、心理学に基づいた性格診断を行うこともある。だがそれだと、「こうありたい自分」になりきって答えることで、深層心理や性格を〝偽装〟することもできてしまう。一方、DNAに組み込まれた性格が検査で判明してしまえば、ウソや思い込みの余地はない。「本当の性格」を知ることができるのだ。

性格は科学的に分析できる

 ちなみに、日本では性格診断といえば、まず話題に上るのが血液型。だが、中原氏曰く、「あれは医学的根拠などゼロだと断言してもよいシロモノ」で、DNA検査のほうがずっと正確だという。

「そもそも血液型はABOだけではありません。人間の血液型は約240もの型が存在するのです。それに、骨髄移植をすれば血液型は変わってしまうことがありますが、それと同時に性格まで変わったという科学的事実は、いまのところ認められていない。血液型で性格が決まるというのは迷信にすぎないのです」

 新たな検査方法に飛びつかないのは、日本人が持つ慎重なDNAゆえかもしれないが、ここにきて、ようやく国内でも調べられる機関が出てきた。その検査はどのようなものなのか。

 たとえば今回、本誌が取材したディーエヌエーバンク・リテイル沖縄研究所(沖縄県うるま市)では、8400円でドーパミンとセロトニン2項目のDNAタイプを調べてくれる。 ホームページの問い合わせフォームからか電話で申し込むと、2〜3日で検査キットが送られてくる。そこに入っている綿棒のようなもので頬の内側の粘膜をこすって容器に入れ、返送するだけ。1~2週間で結果を郵送してくれるという。

 この検査を実際に受けてみたという中原氏と佐川氏。結果は、中原氏がC楽観・地道型、佐川氏はA楽観・新奇型だった。

「検査結果を見て、なるほどな、と思いましたね。私、中原は楽観的ですが、地道で必要以上に用心深くなることがある。一方、佐川さんは、積極的で前向きですが、何にでも手を出すでしゃばりの面も。自分の性格を客観的に知って、『もっと積極的にやったほうがいいかな』と、気をつけるようになりました」(中原氏)

 自分の性格は自分が一番よく知っている—と思うかもしれないが、客観的な指標があって初めて気づくこともある。それによって、自分らしく生きるヒントを見つけられるかもしれない。

「週刊現代」2013年6月15日号より