現代ノンフィクション
2013年06月09日(日) 堀潤

三菱重工製の配管欠陥で米サンオノフレ原発が廃炉へ! 問われる「原発輸出」の損害賠償リスク

取材・文:堀潤(ジャーナリスト)

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サンオノフレ原発。外壁の高さは東日本大震災クラスの津波に堪えられないと地元住民から不安の声があがっていた。

米国で、日本メーカーがかかわる原発の廃炉が決まった。
日の丸原発の海外輸出に大きな影響がでるのか。

三菱重工業製の蒸気発生器の配管破損で水漏れ事故を起こし、稼働が停止していた米カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発について、運営する米サザン・カリフォルニア・エジソンは現地時間6月7日、全ての原子炉を廃炉にする、と発表した。エジソン社は三菱重工に対し、損害賠償を請求するとしている。

https://www.edison.com/files/060713_news1.pdf
※リンクは廃炉を発表したサザン・カリフォルニア・エジソンのプレスリリース

サンオノフレ原発で事故が起きたのは去年1月31日。3号機の配管が破損し、微量の放射性物質を含む水が漏れ出した可能性があることが明らかになった。定期点検中だった隣の2号基でも配管内の異常な摩耗がみつかった。その数は合わせて1万5千カ所以上に上り、米原子力規制委員会(NRC)は全基の稼働を禁じていた。NRCは事故原因について、三菱重工側の設計ミスだとも指摘した。

早期再稼働をもとめた労働組合

筆者は、去年6月からこの問題の取材を続けてきた。

サンオノフレ原発はロサンゼルスの南東およそ100キロに位置する。さらに車を40分ほど南に走らせると、人口122万人の都市サンディエゴがある。地元ではサーフィンの名所として有名で、原子炉は砂浜に面した海岸線に建てられている。

エジソン社と三菱重工は事故以来、再稼働に向けて、欠陥の見つかった部品の設計変更や新たに開発した配管の安全検査を進めてきた。去年10月には、安全性が担保されたとして、2基のうち1基を70%の出力で再稼働させたい、とNRCに申請していた。

しかし地元住民や環境保護団体は、原発の安全性に疑問が残るとして再稼働に反対。事故を起こした装置のみならず、原発の敷地を取り囲む津波防御壁の高さが、東日本大震災級の地震による津波には十分に対応しきれず、事故が起きた時の避難計画も不十分だとして、NRCに対して再稼働を認めないよう訴え続けてきた。

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