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ITトレンド・セレクト
2013年06月06日(木) 小林 雅一

D-Waveの量子コンピュータは本物か? ---その基礎理論を考案した日本人科学者に聞く

D-Wave Systems社のホームページより

 グーグルが先月、研究開発用に導入したD-Wave Systems社(本社カナダ)製の量子コンピュータ。前々回の本コラムでも紹介したように、これが本当の量子コンピュータなのかどうかは、まだ評価が定まっていない。

 グーグルの発表後、僅か1、2週間の間にも、D-Waveが公開した実験データに対し、同社に懐疑的な研究者たちが「これは量子コンピュータではない」と反論し、それに対しD-Waveが逆に反論するなど、議論は紛糾している。それにしても、何故これほど揉めるのか?

量子力学の原理を計算に応用

 その説明に入る前に、量子コンピュータとは何であるかを、もう一度簡単に説明しておこう。量子コンピュータとは、原子核や電子、素粒子のようなミクロ世界を支配する「量子力学」の基本原理に基づく、画期的なコンピュータだ。

 予め断わっておくと、現在、私たちが使っているパソコンのような普通のコンピュータにも、ある意味で量子力学は活用されている。たとえばCPUや記憶装置など各種半導体製品は、量子力学をベースとする固体物理学に基づいて作られている。が、それはあくまでコンピュータの素子、つまり部品レベルの話である。

 これに対し、今、話題になっている量子コンピュータとは、コンピュータが行う計算の方法に量子力学の原理を導入するものだ。これによって、「量子並列性」と呼ばれる特異な性格がコンピュータに育まれ、桁外れのスピードアップがもたらされる。それは従来のコンピュータが、ほとんど原始時代の石器のように見えてしまうほどのスピードアップなのだ。

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