脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
第1回 グローバル社会VS. 国民国家のゆくえ その1

内田樹 中島岳志 平松邦夫 イケダハヤト 小田嶋隆 高木新平 平川克美

みんなで日本の未来を考えよう

平松 みなさん、こんばんは。東京は今日も35度を超えたそうで、とても暑い1日でしたけれども、そんな中、ここ講談社の講堂に大勢のみなさんにお集まりいただきました。今日はこれから、「ポストグローバル社会と日本の未来」というテーマで、4人のパネリストの方々と話を進めていくわけですが、コーディネーター役を私が務めさせていただきます。大阪の民放局のアナウンサー生活が長く、ローカルニュースのキャスターを18年8ヵ月やっておりましたので、大阪ではそこそこ顔は売れてるんですけども、東京の方にとっては、昨年(2011年)11月の大阪市長選挙で橋下(徹・大阪市長)さんと戦って負けた人だ、前市長だと、そういう形である程度知られているかもしれません。

 市長を4年やらせていただき、(2期目を目指した選挙に)敗れはしましたが、52万2641票もの票をいただきました(橋下氏は75万票余り)。その重みを受け止め、今のこの世の中で自分たちが考えるべきこと、必要なものとは一体何だろうと、あらためて考えているところです。それを探るために多くの知を集め、これから日本の未来がどうあるべきかを考える場、「公共政策ラボ」を私が代表となって立ち上げました。英語では、パブリック・ポリシー・ラボラトリー。頭文字を取ってPPL、「ピープル」と読んでいただければと思います。(PPL設立を報じた)新聞には「シンクタンク」と書かれていたんですが、私自身はそういうガチガチに固まったものではなく、もう少し緩やかな集まり、アソシエーションみたいなものをイメージしておりまして、たとえば「変だよね、今の日本。どうすればいいんだろうね」、あるいは、「若い人たちの出番はどこにあるんだろうね」というようなことを自由に考え、話し合い、発信できる場所になればいいなと思っています。そのために、まずは「今」「日本」「なぜ」という3つの言葉を大きな柱に、たくさんの人が前向きな意見を発表し、交換できる場として、シンポジウムや討論会、講演会などを開いていこうというわけです。  

 今日がそのキックオフイベントとなるわけですが、30代の中島岳志さん、50代の小田嶋隆さん、60代が……あ、今日がお誕生日ですね、平川克美さん。それから内田樹さんと私。この5人で話を進めてまいります。ちなみに、「ポストグローバル社会と日本の未来」というサブタイトルは内田先生に考えていただいたものです。今日のための下打ち合わせをした際、私は「あの人にバカと呼ばれた仲間たち」という仮のタイトルを出してみたんですが(笑)、内田先生が「それでは内向き過ぎるし、これからは、もっと大きい視点が必要なんだから」ということで、この大きなテーマをいただきました。

 まずはパネリストの4人からそれぞれ、今日のテーマ「ポストグローバル社会と日本の未来」について思うこと、今の考えをお話しいただきます。最初は、一昨年(2010年)に『移行期的混乱 経済成長神話の終わり』という本をお書きになり、今年もなんと、既に3冊も本を出しておられます、「ラジオデイズ」「リナックスカフェ」の代表、平川克美さんからよろしくお願いします。