飯田泰之 × 常見陽平「饒舌大陸」 田中秀臣さんと語る「2013年、就活の真実」 【第3回】若者に希望を与えつつ、苛酷にこき使うのがブラック企業だ

2013年06月07日(金) 飯田 泰之,常見 陽平

飯田 泰之,常見 陽平飯田泰之X常見陽平「饒舌大陸」

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飯田: ノマドワーカーになったんですね(笑)。

 僕は予備校の講師歴が長いんです。予備校の講師って、ちょっとプライドを捨てられれば、何とでもなった人が実は結構多い。たとえば、東大を出て国家公務員一種試験に受かったけど採用されなかった、みたいな人もいます。

田中: 僕も予備校というか、塾の講師になろうとしたことがあるんです。しばらくヒモをやっていたとき、同居していた彼女から、いくら何でもまったく働かないのはダメだと言われたんです。それで、ある学習塾が講師を募集しているというので行ってみました。

 採用試験はほぼ満点だったんだけど、漢字の書き順ができないという理由で落とされました。「書き順を間違えると、授業を聴いている生徒たちが落ち着かなくなるからあなたは採用できません」って。それで、塾の先生になれませんでした。

常見: おかしな理由で落とすんだなあ。そんな採用は「喝!」だ。

 リクルートのちょっといい話をしますと、ある時期、リクルートの採用担当は「自分より優秀な奴しか採るな」というルールを守らされていたんです。

飯田: 普通と逆じゃん。僕も含めてほとんどの人は、基本的に自分より力の劣った奴を雇おうと思うでしょうね。自分を脅かす存在になりそうな奴には、近くにいてほしくないから。

常見: 普通はそうです。なのにリクルートには「自分より優秀な奴しか採るな」かつ「自分の上司になってもいい奴しか採るな」という鉄則があって、それを採用担当が愚直に守っていたんですよ。そうしたら、本当に少ない人数しか採れなくて、その中の1人が最年少執行役員になった人なのです。

 彼は面白い人間で、早稲田大学時代から起業してベンチャーの社長をやっていました。だからゼミには2週間に1回か、1ヵ月に1回くらいしか来ない。そのかわり、来たら全員をボコボコに論破して帰っていく。

 ちなみに彼は漢字があまり書けなかったんです。だから、書き順くらいで落とすなんていうのは本当にくだらないと思いますよ、田中先生。

田中: そこに着地したか(笑)。

製造業よりサービス業を勧める

飯田: 質問のコメントが来ていますね。大卒の話が続いているけれども、高卒の就職についてもコメントしてほしい、と。

常見: 高卒の就職は、長く続いた円高のせいで、工場の多くが海外に出て行ったので、市場自体が大変なことになっています。これは、前に炎上したこともあるので丁寧に説明しますが、「高卒の就職先=工場」とは僕は言っていません。ただし、そこが就職先の大きな部分を占めているのは事実です。

 高卒の就職にはいろいろ悩ましい点があります。まず、いわゆる「高卒ホワイトカラー」が激減してしまいました。ホワイトカラーは、大卒以上に大幅にシフトしてしまったのです。

 自分の高校経由でなければ会社を受けられないとか、1社しか受けられない人が多いといった問題もあります。また、これはミスマッチの温床になっているんですが、高校の成績が良かった人ほど、地元の良い会社を紹介される傾向があります。でも、学校での成績の良さと、その会社や業種に合うかどうかは別じゃないですか。まあ、大卒の場合でも同じ問題はありますけど。

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