大特集「遺伝するがん」あなたは発病前に切りますか 米国の女優アンジェリーナ・ジョリーは事前に乳房を切除しちゃったけど
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乳がん、子宮がんだけではありません胃がん、大腸がん、肺がんも「遺伝」DNA検査で発病の可能性は分かるが発病前に切ることで失うものもこんなにある

 将来、確実にがんになると告げられたら、親からもらった体を守るか、それとも未来の安心を買うか—37歳のハリウッドスターは、自慢の胸にメスを入れた。「病む前に切る」という選択肢を考える。

検査は簡単、結果は確実

「私の母は39歳のとき乳がんで亡くなりました。母方の祖母、おば、おじも乳がんを患っています。それで、私は遺伝子検査を受けることにしたのです」

 米国ニューヨーク州に住むジーン・レトゥーラさん(58歳)は、'00年に遺伝性乳がんの原因遺伝子に変異があるかどうかを調べる検査を受けた。案の定、結果は陽性だった。

「医師には『がんになる可能性が約70%、リスクは非常に高い』と宣告されました。ある程度予想はしていましたが、やはりショックでしたね。

 検査結果を聞いてから何ヵ月か考え、乳房と卵巣を切除する、と決めました」

 いま、彼女が選択したようながんの「予防的切除」が、世界中で話題になっている。映画俳優ブラッド・ピット氏の恋人としても知られる女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37歳)が、遺伝子検査の結果「将来乳がんになる確率が87%」と診断され、まだ健康な両乳房を全摘出して再建する手術を受けたと発表したためだ。

 ジョリーさんも、レトゥーラさんと同じく母親を乳がんで亡くしている。5月14日付ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、ジョリーさんはこう語った。