消費増税に関する今後のシナリオ---97年の財政再建の失敗を繰り返さないために

 消費税率の引き上げを定めた『社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律』の附則第18条では、「消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため」、デフレからの脱却と経済活性化に向け、23年度から32年度までの平均において名目GDP成長率3%、実質GDP成長率2%を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施などを求めている。

 そして、第3項において「消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに」、「経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し」、その上で、「施行の停止を含め所要の措置を講ずる」としている。

 まず、第1項については、「大胆な金融緩和」、「機動的な財政政策」、「成長戦略」という「3本の矢」を持って「必要な措置を講じた」と安倍内閣は宣言するであろう。問題となるのは、第3項の「経済状況の好転」を確認する作業である。消費税率の引上げに伴う準備などを考慮すると、遅くとも今年の夏から秋にかけて、安倍内閣は経済状況について何らかの判断をする必要が生じる。

政府経済見通しの概要

 経済状況を考える際に、判断の目安となるのが政府経済見通しである。本年2月に公表された25年度の政府経済見通しでは、実質GDP成長率が2.5%、名目GDP成長率が2.7%、GDPデフレーターが0.2%としている。また、失業率も3.9%まで回復し、消費者物価指数で見たインフレ率は0.5%になるとしている。

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