少子高齢化対策は、国家の命運を左右する、そして日本がリーダーシップを発揮すべき大問題である! 
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 永田町は参議院選挙一色で、会期末まで3週間余りを残すのみとなった国会には沈滞ムードが漂っている。参議院では、本会議や委員会での欠席者が目立ち、法案の審議などにしても、緊張感あふれる質疑応答が聞かれない。衆議院で圧倒的な多数を形成しているためか、与党には傲慢さと気の緩みがみえる。

 野党に力がなく、自民党単独勝ちといった状況は、やはり不健全である。与野党協議では、与党のほうが野党に歩み寄って、政党間の合意を得るべきなのに、何をやっても参議院選挙では圧勝すると思っているためか、自民党側には慎重姿勢の一欠片もみえない。

 衆議院の選挙改革をめぐって、与野党が対立し、5月31日の参議院本会議は立てられなかった。これで、法案審議がさらに遅れていく。3月末に予算を成立させるという本来のスケジュールが狂ってしまったために、重要法案が成立しないなど、国会が機能不全に陥っている。

外交と国会対策、経済政策のバランスが安倍政権の課題

 解散を決めるのは内閣総理大臣であるが、少しは予算案や法案審議のことも念頭に置いて、解散時期を決めてほしいものである。当時の野田首相には、そのようなことを考えるだけの余裕すらなかったのであろう。

 参議院の外交防衛委員会が外務大臣と防衛大臣の所信を聞いたのは、5月28日である。衆議院の外務委員長の言動が原因で、与野党が対立したためというのが理由だそうだが、自民党側は、この時期まで陳謝という「儀式」すら実行しなかった。そのため、成立を急ぐハーグ条約は、大臣所信聴取前に審議するという変則的なことまでやったのである。このような状況で、日本外交が上手くいくはずがない。

 安倍政権は、円安、株高で順調な滑り出しをみせたが、ここにきて株の乱高下が始まり、長期金利も上がり、輸入品の価格上昇が庶民の生活に悪影響を及ぼすなど、アベノミクスの副作用の心配も出てきた。このコラムでも、安倍政権のアキレス腱は、外交と国会対策だと指摘してきたが、それらに加えて、経済政策のバランスという問題も加わってきた。

 外交政策については、橋下大阪市長の従軍慰安婦発言が国際的な波紋を呼び、日本のイメージを大きく損ねた。橋下氏と改憲論者の安倍首相とは、同じ思想集団にいるというのが、海外が抱くイメージである。だからこそ、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議で、小野寺防衛大臣は、「日本の右傾化は誤解」という釈明を行った。

 しかし、安全保障をめぐる会議で、このような発言をするのは賢明ではない。中国や北朝鮮の軍事的脅威に言及し、それに対応するために、防衛予算、人員の増強を決めたと強調すべきである。余計な釈明をすると、それがまた「右傾化日本」のイメージを拡散させることになる。海外で、「何を言うか」よりも、「何を言わないか」が重要である。このような釈明を防衛大臣に言わせるとは、外務省、防衛省にも智恵者がいなくなったということであろうか。

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