選挙
安倍政権最大の功労者!姿を消し忠勤に励む菅官房長官の理想像

 首相・安倍晋三と官房長官・菅義偉は政権運営上、希代の名コンビではなかろうか。かつて、名宰相も名官房長官もいた。だが、コンビネーションがうまく行っている例は極めて珍しい。

 これは安倍の指導力、包容力もさることながら、菅の忠誠心によるところが大きい。安倍は当選回数で1回上の7回だが、年齢では菅が6歳上の64歳。年上の菅は自分の姿を消すようにして、忠勤に励んでいる。

菅が理想とする官房長官は梶山静六

 歴代官房長官でその名を残すのはこの30年に限れば中曽根内閣の後藤田正晴、橋本内閣の梶山静六、小渕内閣の野中広務、小泉内閣の福田康夫だろう。それぞれ持ち味は違うが、政権運営の中心となって自民党内はもちろん、霞が関ににらみを利かせた。いずれも自意識が強く時折、首相への不満を口にした。

 菅はこの4人のうち、梶山を政治の師と仰ぐ。どの政治家の何を評価するかを聞くと、評する側の政治家の質が分かる。

 菅が梶山を評価するのは1997年9月初め首相・橋本龍太郎が中国を訪問するのを前に、梶山が8月17日、テレビ番組で「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)見直し問題に関連し、日本周辺有事の範囲について「(中国と台湾の有事は)当然入る」と述べたことだ。

 台湾海峡の有事が周辺有事に含まれるとの認識を示したことに、中国の李鵬首相(当時)が「中国はこれを絶対に受け入れられない」と激しく反発。首相訪中前に官房長官が問題を引き起こすかたちになった。

 だが、梶山の発言は中国の反発を見越してのこと。狙いは橋本に梶山のような考えを押さえるというカードを渡すことにあった。主君のためなら悪役を買って出るという梶山の姿に、菅は官房長官の理想像を見いだしたのだった。

 だから、菅は安倍のためになることならば何でもする、汚れ役も買って出て時に諫言(かんげん)もする気概を持っている。4月下旬、安倍が閣僚の靖国神社参拝に中国、韓国が反発したことに対し「どんな脅かしにも屈しない」と答弁したとき、菅は安倍をいさめ、いち早く火消しに走った。このほか、自民党内で起こった道路特定財源復活の動きを抑え込んだり、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加表明に対する党内の反発を最小限にとどめたりしている。

 菅の動きが大きく報道されることはない。「黒子役」に徹し、マスコミには安倍の決断によって事柄が動いたように見せているからだ。正反対に、内閣官房参与・飯島勲の訪朝問題ではあくまで菅の決断で行ったこととし、安倍に火の粉が及ばないようにしている。

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