高橋洋一「ニュースの深層」
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自民党は参議院選挙の争点から外すのはせこい!「消費税増税スキップ」の判断は10月では遅すぎる

2013年06月03日(月) 高橋 洋一
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4月29日付け本コラムで「消費税増税スキップ」を書いた。イギリスでは消費税を増税して景気が低迷していることなど経済的な観点からの意見だが、今回はその法的側面や経済的な補足をしたい。

自民党の高市早苗政調会長は、来年4月からの消費税率引き上げの是非を、安倍晋三首相が今年10月に最終判断するといっている。安倍首相自身も現在のところ「白紙」である」といっている。これは政治家のスタンスとしては正しい。

筆者としては賢明な判断をしてもらいたいが、実は法的には消費税税率の引き上げは、昨年8月に成立した「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」(消費税増税法)で決まっている。

「経済財政条項の激変」とは

 しばしば新聞などでは、景気条項に努力目標として名目3%、実質2%のGDP(国内総生産)の経済成長率が明記され、経済環境が急変したときには増税を見送るといわれているが、それはあくまで政治的な立場からの意見である。

消費税増税法附則18条はこうなっている。

第十八条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。

3 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

 第3項によって、増税見送りが可能かのように書かれている。しかし、「経済財政状況の激変」とはリーマンショック時のようなものを想定しているので、政治家が大きな声を上げない限り、予定通り実施されると読むのが正しい。

次ページ  また、この附則18条は条件に…
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