中国
李克強首相の4ヵ国歴訪を振り返る---中国が展開する「日本包囲網外交」とは
〔PHOTO〕gettyimages

 日中のトップが、互いにトップ外交で鎬を削っている。安倍首相は、5月24日~26日のミャンマー訪問、同27日~30日までのインドのシン首相の受け入れ、そして6月1日からは、横浜で5年に一度のアフリカ開発会議が始まった。安倍首相は来日した約40近いアフリカ諸国の首脳と個別の会談に臨む。

 一方の中国も負けてはいない。李克強首相が初外遊として、5月19日から28日まで、インド、パキスタン、スイス、ドイツを訪問。6月7日、8日には習近平主席が訪米し、オバマ大統領との米中首脳会談に臨む。日本が「中国包囲網外交」を展開すれば、中国は「日本包囲網外交」を展開するというわけである。

 ここでは、多分に日本を意識した李克強首相の4ヵ国訪問を振り返ってみよう(以下は主に、新華社通信の報道による)。

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<第1の訪問国・インド>

 李首相はまず、5月19日午後に、ニューデリーのパイラム空軍空港に到着、アイハマイド外交国務大臣や魏苇駐印大使らの歓迎を受けた。李首相は書面で、「13億の中国人民と12億のインド人民の良好な関係はアジアと世界への福音だ」との声明を発表した。

 翌20日、歓迎記念式典や、フラルシド外相への表敬訪問を経て、李首相はシン首相との中印首脳会談に臨んだ。ここで李首相は、5つの点を強調した。

①戦略的対話を深化させて、政治的な信頼を増進させる。
②貿易の自由化を促進させ、2大市場をより緊密化させ、バングラディッシュ、中国、インド、ミャンマーの「経済回廊」を建設する。
③両国の軍事交流を強化し、海洋戦略での協力を通じて地域の平和と安全を共同で守る。
④2014年を「中印友好交流年」とし、「平和5原則」発表60周年を記念して人的交流を拡大させる。
⑤国境問題で対話と協調を強め、ペースを上げて双方が受け入れ可能な解決を探る。

 李首相は、シン首相に対して、次のように述べた。

 「インドは、私が首相になって初の訪問国であり、両国は共に人口10億を超える重要な発展途上国である。両国の協調の潜在能力は巨大であり、春に種を播けば、秋には豊作となるのだ。中印の蜜月関係は、アジアの新たな灯火であり、世界の牽引役となるものだ。

 両国の共同利益は、見解の相違点を大きく凌駕する。すなわち、両国の協調と発展は、アジアの幸福であり、世界の幸福である。もし両国の協調と発展がなければ、アジアは強くなれない。この絶好の機会を利用し、歴史の新たなページを拓こうではないか」

 これに対してシン首相は、「両国の提携の潜在力は無限で、両国は互いに最も重要なパートナーになれる」と述べ、李首相もこれに賛同した。また、李首相は重ねて、「チベットは中国の不可侵の領土である」と述べた。これにシン首相は同意し、「インド領内でチベット独立運動は許さない」と述べた。

 両国は、G20やBRICsで協調していくことを確認し、「双方が関心ある国際問題や地域の問題」について意見交換した。

 こうして中印双方は、共同声明を発表した。そして経済貿易、農業、文化、環境保護、地方交流などの文書に署名した。

 この首脳会談の後、李首相はガンジー首相の墓地へ赴き、献花した。

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