ジブリ最新作主人公(ゼロ戦設計者・堀越二郎)「幻の名機 烈風」の設計図に込めた思い

2013年06月02日(日) フライデー

フライデー賢者の知恵

upperline

軍にたてつく設計者

設計の際の計算だが、どの機のためのものかは未解明。戦後も、YS-11など航空機の設計に関わった

 今回、本誌が初公開した設計図(前ページ)は、 '42年にゼロ戦の後継機として試作が開始された「烈風」のものだ。実戦配備が間に合わなかったため、「幻の名機」と呼ばれる。

「この設計図を見ると、日付が終戦直前の昭和20年(1945)の6月とか7月頃になっています。堀越は軍の上層部とやりとりをしていたから、日本が負けること、烈風の設計がムダになってしまうことは予想できていたでしょう。

 それでも、彼は職人として技術の粋を結集し、こだわり抜いて設計に取り組みました。集大成のつもりだったんでしょう。エンジンが気に食わなかったので、海軍の方針に反対してエンジンを換えさせたというエピソードもある。軍に一設計者がたてつくなんて、当時は考えられません」(前出・軽部氏)

 こうして作られた烈風が配備されることはなかった。堀越の長男である雅郎氏は、戦後、堀越が烈風について振り返っていたことを覚えているという。

戦後、押収されたゼロ戦のエンジンについて解説を求められる堀越。戦後は三菱重工の参与にまで昇進した

「烈風が日の目を見られなかったことには後悔があったようです。『最初から、あちらのエンジンを使っていれば実戦に出ることができたのになあ』とこぼしていました」

 烈風の配備はかなわなかったが、しかし堀越の技術は現在も生き続けている。

「ねじり下げ、沈頭鋲といった技術は、現在でも全世界のほとんどの航空機で利用されています」(軽部氏)

 堀越の美と実用性へのこだわりは今もなお、世界中を飛び回っているのだ。

「フライデー」2013年6月7日号より

前へ 1 2 3 4

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事