Wharton Forum ~Aging panel~
各国を襲う少子高齢化は世界が注目の重大問題---先行する日本はピンチをチャンスとできるのか?

ペンシルベニア大学ウォートン・スクール オリビア・ミッチェル教授 Photo by The Wharton School

 少子高齢化という答えが見えない大問題に対して、新たな考え方が求められている。日本からのヒントは何か、何を学べるのか---。

 世界をリードする経営学大学院Wharton School(ウォートン・スクール)のグローバル・フォーラムが5月24日パレスホテルで開かれ、そのパネルの一つ「Now for the Hard Part - Aging in the World Environment (難題をいま議論する―世界各国に迫りくる高齢化)」にて少子高齢化へのアプローチが議論された。

 本パネルでの各パネリストのプレゼンテーション、ならびに世界から集まった参加者との質疑応答と議論から、主な内容を紹介したい。

【モデレーター】
ペンシルベニア大学ウォートン・スクール教授 オリビア・ミッチェル (Olivia S. Mitchell, International Foundation of Employee Benefit Plans Professor, Executive Director, Pension Research Council; Director, Boettner Center on Pensions and Retirement Research, The Wharton School)

【パネリスト】
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授 夏野剛氏
東京大学高齢社会総合研究機構 執行委員 特任教授 秋山弘子氏
資生堂リサーチセンター副主幹研究員 片桐千華氏
経済産業省 経済産業政策局 大臣官房審議官 西山圭太氏

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授 夏野剛氏  Photo by The Wharton School

目を疑うほどの少子高齢化と人口減

 まず基本的な問題認識から始められた。すでに何度も言われていることだが、あらためてその問題の大きさと策が不十分なことが共有された。

 夏野氏と秋山氏は、性別年齢層別人口構成の推移について、2050や2055年時点の深刻な状況(70歳以上の比率の劇的な増加)を示した。

 夏野氏は、「人口が減るのに新幹線を北海道まで伸ばして意味があるのか?」と、人口増を前提とした施策から脱却すべしと問いかけ、「誰も真剣に受け止めていない。これまでの政策の延長線であり、この人口問題に対峙した変化や取り組みがみられない」と喝破する。

 そして、長期的な問題だからといって短期で無策でいいわけがない、今から行動するべきだと指摘し、出生率を上げ人口減にどう対処するか考えようと訴えた。

 また、「選挙のために、若い世代でなく高齢な世代を優先的に考えていては、問題は解決しない」と、夏野氏は動きが鈍い政治家に苦言を呈した。

東京大学高齢社会総合研究機構 執行委員 特任教授 秋山弘子氏  「2030年に向けてのコミュニティの再設計」 Photo by Shuji Honjo
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