2013.06.06(Thu)

怒っている時に正しい判断はできない。
「怒らない経営」はもっとも合理的なんです。

ライドオン・エクスプレス 江見朗

週刊現代
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ゼロから始めた宅配寿司チェーン『銀のさら』を、創業約15年で同業界のシェア50%以上にまで成長させた人物だ。ライドオン・エクスプレス(旧レストラン・エクスプレス)・江見朗社長(52歳)。『カンブリア宮殿』などのテレビ番組や雑誌で報じられる彼のマネジメント術「怒らない経営」と、そのバックボーンを聞いた。


怒っている時に正しい判断はできない。 「怒らない経営」はもっとも合理的なんです。えみ・あきら/'60年、大阪府生まれ。岐阜県立岐阜高等学校を卒業し、'84年に単身渡米。寿司職人として7年半を過ごし、帰国後の'92年に飲食業で起業、以来現職。'98年に宅配寿司専門店『寿司衛門』(現在の『銀のさら』)を創業、'11年には釜飯の『釜寅』もあわせ総店舗数500店にまで成長させた

合理主義者

 私は、仕事とは合理性の追求だと思っています。そして「怒らない経営」は、何もヒューマンな理想論を掲げているわけではありません。怒らないことが、企業の売り上げや利益の最大化を目指す中で、もっとも合理的だから実施していることなのです。

怒り=大損

 怒りの感情に流されないためには「我慢」より「理解」が有効です。誰でも、ムカーッとくる時はありますよ(笑)。でも、怒っている時の判断で正しかったことってありますか?

 たとえば、上司に「やらされる」仕事より、部下が自分の意思で「やる」仕事のほうがよい結果が出ますよね。ということは、怒って仕事を「やらせる」より、部下が自ら「やる」ように仕向けるほうがいい結果が出るのです。ならば、怒るよりも、なぜよい結果が出なかったのか「理解」し、的確な行動をとるほうがいいじゃないですか。さらに言えば、原因を自分の外に見いだしている限り、いかなる問題も解決しないと思います。

アメ車 '84年、所持金350万円を握りしめて渡ったアメリカのロサンゼルスにて。当時、江見氏は24歳。愛車だったファイヤーバードトランザムとともに

渡米

 高校生の時、テレビを通してアメリカの文化に触れ渡米を考えるようになりました。結局、大学進学はせず、アルバイトでお金を貯め、語学学校への留学という形でアメリカへ渡った。ところが元々楽天的なので、貯めたお金ででっかいアメ車を買ってしまい(笑)、「これでは生活費が足りない」と現地のお寿司屋さんでアルバイトを始めたのです。これが『銀のさら』の事業に繋がっています。次第に飲食業に興味を持ち、アメリカの様々な業態やメニューを調べ、起業を考え始めたのです。

マインド

 アメリカで学んだことの中で重要だったのは、彼らのマインドを学べたこと。ポジティブでアグレッシブで、前例にとらわれず、「常識的でなかろうが、考えても考えても同じ結論しか出ないなら、やってみよう!」という文化に触れたのです。しかも彼らの多くは、やってみてダメなら「ダメとわかったことが前進!」と考える。仕事がハッピーになるマインドだと思います。

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