小泉武夫 第4回 「人の味覚は3~4歳で決まります。幼いうちから"知る悲しみ"をたくさん教えてあげてください」

撮影:立木義浩

第3回はこちらをご覧ください。

シマジ 小泉教授は世界中の珍しいものを何でも食べていらっいますよね。わたしがまだ集英社インターナショナルにいたとき、『冒険する舌』という単行本を出させていただきましたが、あの表紙の写真は凄かった。驚きました。何せ大きなクモを教授自身が食べている写真でしたからね。

小泉 その節はお世話になりました。あれはカンボジアで食べた素焼きのクモです。美味しいですよ。そうですね、日本で似ている物といえば、たまに料理屋で出てくる唐揚げの沢ガニですかね。

シマジ でも日本でみるクモよりかなりデカイですね。どうも不気味です。

小泉 カンボジアにはクモがたくさんいて、とても簡単に捕れるんですが、毒性がありますから噛まれたら大変です。だから絶対に生では食べません。現地では、素焼きにするか、魚醤で煮込んで佃煮にしたものを食べます。

シマジ まさに、所変われば品変わる、ですね。

小泉 まあ、日本でもイナゴや蜂の子を食べるんですから、それと一緒ですよ。カンボジアでは他にもコオロギ、田んぼにいるゲンゴロウ、それからタガメが最高級の昆虫としてマーケットで売られています。わたしも食べましたが、とっても美味しいですよ。

 面白い話があります。約450万年前に人間の祖先である原人が登場したわけですが、その後、50万年経ったいちばん原始的なホモ・サピエンスのウンコが、糞石の形で発見されたんです。

 その糞石のなかにいちばん多くあったのは、なんと昆虫でした。なかでもアリが多かった。その次にコオロギ。それからゴキブリの羽が出てきました。ゴキブリも食べていたんですね。もちろん、イナゴ、バッタも食べていました。

シマジ 400万年前のわれわれの先祖は、虫を食べてタンパク源にしていたのでしょうね。