参院選を控えた安倍政権の不都合な真実!? 敦賀2号機の再稼働が「NO」で現実味を帯びる廃炉費用の国民転嫁
日本原子力発電敦賀発電所(福井県敦賀市) 〔photo〕wikipediaより

 本来は廃炉にすべきなのに、経営破綻を避けたい一心で再稼働に固執して、リスクのある施設や燃料を放置し続けたまま、電力料金の高騰を招く---。

 そんな最悪のシナリオを予防する必要性を改めて裏付けたのが、先週、原子力規制委員会(田中俊一委員長)がある有識者報告書をオーソライズした一件だ。その報告書とは、日本原子力発電の敦賀原子力発電所2号機の直下を走る活断層の存在を裏付けたものだ。敵役の日本原電は世論の反発も顧みず、納得できないとしていまだに徹底抗戦の構えを見せている。

全国50基の原発が「グレーなら運転停止」に

 だが、問題はこれだけではない。7月から新規制基準が適用されれば、全国に50基ある原発の多くは、基準を満たすために膨大な時間とコストを要し、敦賀2号機と同じように廃炉を真剣に検討すべき状況に追い込まれるはずだ。

 それにもかかわらず、規制委員会だけでなく、政府としても、いまだに廃炉のための円滑な道筋を示さないのは、怠慢のそしりを免れない。

 懸案だった有識者報告書を22日に受け取ったことは、その内容にお墨付きを与えたことになる。原子力規制委員会は、安全性について「グレーなら運転継続」という姿勢を採ってきた原発行政を、「グレーなら運転停止」に180度転換するという政府の決意を国民に示した。この点は、改革として評価すべきだろう。

 振り返れば、敦賀原発の下を走る活断層の検証過程には、賛否両論があった。

 そもそも、敦賀原発では、2号機のすぐ脇を走る浦底断層について、1970年代から専門家の間で活断層だと指摘する声があり、91年にはそれが地震学者の定説になりつつあった。にもかかわらず、日本原電は79年の2号機設置許可申請時にこの指摘を真っ向から否定。さらに、2004年の3、4号機設置許可申請時にも、持論を押し通してきた経緯がある。

 今回、新たに活断層と断定された「D-1」についても、東日本大震災を受けて、旧原子力安全・保安院が地殻や断層の早期再調査を指示していた。にもかかわらず、日本原電はなかなか従おうとしなかった。このため、業を煮やした同院が、昨年4月、現地調査に乗り込んだことが見直しの発端となったのだ。

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