ウオール街の格言が的中した5月の株価急落劇
〔PHOTO〕gettyimages

 「5月に持っている株を売れ」。昔からウオール街で言われてきた一種の格言だ。この言葉の背景には、5月に株式市場が変調を来すことが多かったことがある。5月23日の株価急落は、奇しくも、この格言が的中したことになる。格言は生きていたのかもしれない。

 日本株は、昨年の11月中旬以降、堅調な展開が続いた。さらに今年4月の日銀の"異次元の金融緩和策"の実施により上昇速度が増し、まさにスピード違反の様相だった。そうした状況から、5月以降、海外の投機筋などの利益確定売りによって調整局面を迎えるとの観測が出ていた。

"異次元の上昇速度"を見せた日本株市場

 日経平均株価の推移を見ると、昨年11月13日の8,661円から今年5月22日の15,627円まで80%を越える上昇幅となった。また、4月3日から5月22日までの約1ヵ月半の間に、30%を越える大幅な上昇を見せた。こうした上昇ペースは、かつて80年代のバブル期を髣髴とさせるものがある。

 元々、金融市場は、「先行きがどうなるか」という期待によって変動する。そのため、株式市場は、どうしても期待が先行しやすい性格を持つ。自民党の安倍政権が、"アベノミクス"なる経済政策を打ち上げ、その政策に対する期待が、日銀の"異次元の金融緩和策"による潤沢な資金と繋がった。

 その結果、多くの投資家は積極的に日本株購入に動いた。中でも、今まで日本経済の低迷によって、日本株の保有割合を落としていた海外投資家の買い意欲は、かなり根強いものがあった。市場関係者の中では、今回の海外投資家の買いは、小泉政権時よりもしっかりしているとの見方が有力だ。日本株上昇の原動力は、海外投資家と言っても過言ではないだろう。

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