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国民的大論争第10弾 新型出生前診断スタートから1ヵ月 441人の妊婦データで分かった「高齢出産」35歳以上のリスク
〔PHOTO〕gettyimages

 お腹のなかの子どもの染色体異常の有無が、早期にかつ簡単に分かるようになった。それは果たして妊婦にとって福音なのか—。話題の新型出生前診断について、日本の第一人者が解説する。

まもなく「決断」を迫られる

 4月から始まった新型出生前診断。導入からひと月が経ったいま、現場ではどんな反応が見られるのか。新型出生前診断の臨床研究を主導するNIPTコンソーシアムの発起人の一人で、胎児遺伝子診断の専門家である関沢明彦昭和大学医学部教授が現状を語る。氏は全国の施設で検査を受けた妊婦のデータを集計した。

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 4月1日からの1ヵ月で、全国15の医療施設で441人が新型の出生前検査を受けました。30歳から47歳までの方が受けており、そのうちの90%以上が35歳以上の高齢妊婦。平均年齢は38・5歳です。

 すでに257人について結果が出ており、染色体異常の可能性が高い陽性反応が出たのは9人でした。これは全体の3・5%で、アメリカでの先行研究で示されている2・9%、羊水検査の平均である2・5~3%という数字よりも高い。開始直後ということで、検査に関心の高い、ハイリスクの妊婦が検査を受けたからだと考えられます。検査で陽性反応が出た妊婦のうち、羊水検査を受けて胎児がダウン症だと確定したのは、現在のところ2人。どのような道を選ぶのかは分かりませんが、「決断」を迫られることになります。

 当院では、この1ヵ月で50件を超える検査を行いました。当院で陽性反応が出た方は3人います。