Digital Experience! TOP>現代ビジネス>ITトレンド・セレクト
ITトレンド・セレクト
2013年05月23日(木) 小林 雅一

グーグルが導入した量子コンピュータとは何か

〔PHOTO〕gettyimages

現在、最速のスパコンでも解けない問題を瞬時に解く

 量子コンピュータは、いわゆる「NP困難」と呼ばれる問題を解決できるとされる。NP困難問題とは、それを解くためのアルゴリズムは解明されているのだが、それを使って本当に問題を解こうとすると、あまりにも計算量が大きすぎて、何千年も何万年もかかってしまうような問題である。つまり理論的には解けるのだが、現実的には解けない問題と言える。

 従来のコンピュータであれば、そのように大規模な計算を行う場合には、ときに何百台、何千台というようなコンピュータをクラスタ接続して並列処理する必要があった。ここまでしても、たとえば「巡回セールスマン問題」のようなNP困難問題は解くことができない。

 これに対し量子コンピュータでは、前述の原理により、内部のビット数を一つ増やすだけで並列処理を行う(内部)コンピュータの数を2倍に増やすことができる。この仕組みにより、原理的には「2の100乗」個とか「2の1000乗」個といった、途方もない数の並列処理コンピュータが(1台の量子コンピュータの内部に)実現できる。これにより、現在最速のスパコンでも解けないNP困難問題を、ほぼ瞬時に解くことができるのだ。

 グーグルはこの量子コンピュータを使って、「音声認識」や「画像認識」、あるいは「自然言語を理解する検索エンジン」や「自動運転車」など、様々な分野のAI開発を加速するとしている。これらが果たしてNP困難かどうかは分からないが、いずれにせよ計算量が極めて大きな問題であることは間違いない。つまり量子コンピュータには打ってつけの課題ということになる。

previous page
2
nextpage
  • PR
  • PR
新着記事
MORE
BackNumber
MORE
ArticleRanking