[プロ野球]
DeNA・福田岳洋「“幅”を広げて1軍定着へ」

アイランドリーグ出身選手たちは今 2013年Vol.3

「抑えなきゃ」の思いが生んだ悪循環

 2年ぶりの1軍登板を果たしたとはいえ、昨季は不本意なシーズンだった。夏場に昇格し、5試合に投げたものの、防御率は9.72。最初の2試合こそ1イニングを三者凡退で抑えたが、その後は連打を浴びて失点するケースが目立った。

 1軍出場ゼロに終わった一昨年のオフ、福田は、その原因となった痛めていた左ヒザにメスを入れた。投げることへの不安を取り除き、体を一から作り直して臨んだシーズンだった。2軍では好調が続き、いいボールが放れている手応えがあった。だが1軍となると、内容よりも求められるのは結果だ。香川から入団して3年目。「このチャンスを逃したらクビになるかもしれない」との思いもあった。

 ただ、その意気込みは裏目に出た。たとえば最初の2試合を完璧に封じて迎えた甲子園での阪神戦(7月29日)。1死後、関本賢太郎に四球を与えたことで「アカン。もう、これ以上、ランナーを出すわけにはいかない」と平常心を失ってしまったのだ。焦れば焦るほど投げるボールはストライクゾーンに入らなくなる。まさかの3連続四球。なんとか1失点で踏ん張ったが、ベンチの印象は悪くなってしまった。

 その後もランナーを出すと、「打たれてはいけない。抑えなきゃいけない」と気持ちが守りに入る。もがけばもがくほどピッチングが単調になり、痛打される悪循環。怖いものなしで腕を振り、シーズン終了まで1軍に残ったルーキーイヤーとは全く違う精神状態に陥っていた。

「でも冷静に考えたら、ランナーを出さないピッチャーなんていないんですよね。むしろランナーが出ることは前提でマウンドに上がらないといけない。“ランナーを出さない”ではなく、“ランナーを出してからどうするか”。そこにもっと意識をむけるべきでした」

 昨季、チームで最多登板を果たし、中継ぎでフル回転した菊池和正は福田にとって良きお手本となった。キャッチボールからランナーを出た場面を想定し、クイック投法やリズムを変えてボールを投げる。すべてを実戦につなげる準備の仕方に学ぶべき点は多かった。