勝ち組はトヨタ自動車と三菱UFJ銀行---2013年3月期決算をランキング化して探る主要50社の傾向と実力
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 アベノミクスの追い風を受けて圧倒的な勝ち組になったと言えるのは、トヨタ自動車と三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3グループだろう。NTTを始めとする通信と、未上場のマンモス企業・日本郵政が不況抵抗力の強さを見せたほか、証券も活況な株式市場に支えられて勢いを取り戻した。

 しかし、「寄らば大樹」のはずの大手企業は総じて減益決算で、リーマン・ショック前の水準を回復できていない。1昨年、資源ブームに沸いた商社は伸び悩み、小松製作所や東レといった老舗の名門メーカー、成長分野と期待されるゲームが減益決算を余儀なくされた。

 何よりも深刻なのは、長年、輸出をけん引してきたパナソニックとシャープの電機2社が今回も気の遠くなるような赤字を垂れ流し、東京電力を始めとした電力は存亡の危機から抜け出せないことだ。明るい兆しはそれほど見られない。

2013年3月期決算をランキング化してみた

 ここ数年、一般の方から「一番儲かっているのは、どの企業ですか」という質問を受けることが増えている。

 米国でも上場している超大手企業が競うように米国会計基準の採用に踏み切り、伝統的な日本基準の「経常利益」を公表しなくなったうえ、銀行の収益状況は一般の企業と分離して銀行業の特性を反映し易い「業務純益」を使った業界内比較を重視する傾向が強まっているからだ。このため、大手紙をみても、横断的に企業の実力を理解することが難しいというのである。

 そこで、筆者は今回、独断と偏見で、主要とみられる50社について、横断的な比較がしやすい「連結ベース」の「税引き前利益」を洗い出してランキング化し、注目の2013年3月期決算の傾向を探ることにした。

 伝統的な日本の会計基準で重要視されることが多い「営業利益」や「経常利益」といった概念が米国会計基準にはないし、「税引き後当期利益」は税務処理に大きく左右されて単年度の動向がわかりづらいからである。その点、各企業の「連結ベース」の「税引き前利益」ならば、業種の枠を超えて、各社の実力を浮き彫りにし易いはずだ。

 その集計結果をランキング化したのが下の表である。

 これをみていだだけば一目瞭然だが、「税引き前利益・日本一」のチャンピオンは、1兆4,000億円と前期比で3.2倍の利益を稼ぎ出して、見事な復活を遂げた「世界のトヨタ」である。

 ちなみに、トヨタの決算短信によると、今回の急回復の原動力は、「前期比20.7%増の887万台」を記録した自動車販売の好調だ。その結果、トヨタの営業利益は前年度に比べて9,652億円増えたが、増益要因は「営業面の努力が6,500億円、原価改善の努力が4,500億円、為替変動の影響が1,500億円、その他の要因が152億円」、一方の「減益要因としては、諸経費の増加ほかが3,000億円あり」、この増益になったと説明している。

 トヨタの業績回復について、「円安効果=アベノミクス」を強調する報道が多いが、実際は、円安効果の寄与度は1割程度に過ぎず、圧倒的にトヨタ自身の販売や合理化といった自助努力が功を奏した決算だったことになる。

 トヨタ以外の自動車大手は、中国の反日運動の影響などが深刻だった日産自動車の税引き前利益が5,167億円で前期比2.4%減ったものの、本田技研工業は同89.9%増の4,888億円を確保した。今回のランキングに取り上げなかった3社以外の自動車各社も総じて回復傾向にあり、業界全体として、「勝ち組」と言える利益水準を確保した。

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