高橋洋一「ニュースの深層」
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経済が良くなれば財政も良くなるに決まっている! 長期金利上昇"から騒ぎ"の背後に透ける財務省の思惑とは

2013年05月20日(月) 高橋 洋一
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 先週は、長期金利(10年国債の利回り)上昇について「から騒ぎ」があった。この種のタイプには三つある。第一に、長期金利が上がると、国債価格が下がって金融機関は経営が危なくなる【金融機関問題】、第二に、黒田緩和は円安、株高には成功したが、長期金利上昇を招き景気に悪影響が出る【景気問題】、第三に長期金利が上がると利払費が増加し財政再建ができない【財政問題】だ。

 第一の【金融機関問題】では、債券で儲けられなければ、株や貸出で儲ければいいだけだ。実際、大手銀行5グループの2013年3月期決算の純利益の合計は、1年前に比べ8.9%増の2兆6,161億円となり、6年ぶりに高い水準だった。その理由は、株高や投資信託の販売が好調だったためだ。

 第二の【実体経済問題】は、名目金利だけしか見ずに、実質金利を見ない間違いだ。実体経済に影響を与えるのは、名目金利ではなく実質金利(=名目金利-予想インフレ率)である。これは、アベノミクスのキモといえる部分であるが、アベノミクスがスタートした今年初めから、予想インフレ率が急上昇したこともあり、実質金利は急速に低下している。1年前には0%程度だった実質金利が、現在では▲1.4%程度になっている。

 実質金利が下がっているのに、実体経済に好影響が出ないはずはない。実際に、各種の経済統計にはいい数字が出始めている。

 これらについては、デフレ下では主役であった金融機関の債券部門が慌てふためいているだけだ。デフレ下では債権部門が金融機関の稼ぎ頭であったので、金融機関系エコノミストやマスコミがその主張に同調している。そもそも、金融機関の本業は貸出であり、すべての金融商品の中で最低金利である国債の運用で儲けていたデフレ期が異常だった。詳しくはここを参照して欲しい。

次ページ  第三の【財政問題】については…
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