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7・21 夏の参院選 この国はどこへ行くのか 全選挙区5000人調査ナマ数字をすべて出します! ●自民、選挙区で圧勝●日本維新は16議席●民主はわずか12議席 消滅へ
勝たねば「死んでも死にきれない」という安倍首相〔PHOTO〕gettyimages

 景気対策が効を奏し、安倍自民党は高支持率を維持している。このまま参院選に突入した場合、政界地図はどう塗り替えられるのか。5000人調査に基づく、どこよりも正確な「選挙予測」をお届けする。

選挙の結果は確定した

 7月の参院決戦—。わずか2ヵ月後に迫るこの選挙に尋常ではない執念を燃やす人物がいる。昨年の衆院選で敗北を喫した野党の議員ではない。政権支持率70%、表面的には圧倒的な人気を誇る安倍晋三首相である。

「参院選に完全勝利しなければ、安倍政権は本物にならない。だから何としてでも、400万~500万票獲得を狙える目玉候補を探して欲しい」

 首相は石破茂幹事長、河村建夫選対委員長ら、党の選挙参謀たちにそう"厳命"しているのだ。

 予定通りにいけば、今夏の参院選は通常国会閉会後の7月4日に公示され、7月21日に投開票が行われる可能性が高い。

 安倍首相には、参院選に対して苦い思い出がある。第一次政権時の'07年、自民党は安倍首相の下で大敗を喫し、持病も悪化して政権は崩壊。'09年の衆院選で民主党に政権の座を明け渡すきっかけを作った。

 そのため、このリターンマッチにかける安倍首相の気合はハンパではない。

「参院選の戦いは親の仇を討つようなものだ。これに勝たなければ死んでも死にきれない」

 自らそう公言し、支持率がどれほど高かろうが、手綱を緩めることなくハッパをかけ続けているという。

表の見方:「次の参院選でどの政党の候補者に投票するか」という設問に対し「自民/民主/維新/公明/みんな/共産/生活/社民/みどり/その他」の選択肢を用意。回答をもとに当落予測を行った。原則として5月7日現在で党本部が公認発表している候補者名を、選挙区ごとに上位最大7名まで挙げた

 自民党幹部の一人がこう証言する。

「4月から5月の連休にかけ、自民党では2回の選挙情勢調査を行ったが、いずれも圧勝という結果で、121の改選議席のうち約70議席を獲得、単独過半数が可能という結果も出ている。だが、それでも安倍首相は満足できないようで、『比例代表でもっと集票力のある候補を!』と、憑かれたように唱えている。ここまで執念深いタイプだったとは……と、正直、周りも驚いている状況だ」

 6年越しに、ようやく"親の仇"を討てる。本人が言うとおり、そんな気持ちはもちろん強いだろう。しかしその一方で、安倍首相には「さらなる野心が見え隠れする」と語るのは、政治ジャーナリストの山田惠資氏だ。

「安倍首相の真の狙いは、『改憲』による政界再編だと思います。憲法改正のための手続きを規定する『96条』問題で民主党に踏み絵を踏ませ、民主党内の改憲派を離党に追い込み、政界再編を進めるつもりでいる。

※1、※2「自民党候補」としての票を各候補に振り分けている

 従来は公明党の存在がネックでしたが、もはや安倍首相は公明党に配慮するつもりはなく、彼らが改憲を容認せざるを得ない状況に追い込んでいます」

 この安倍首相の超強気路線は、選挙において果たして吉と出るか凶と出るか。

 本誌はこの参院選の結果を占うべく、今回約5000人に及ぶアンケート調査を行った。20代から70代までの幅広い層の男女を対象に行ったこの調査の結果は、衝撃的なものだった。

 ズバリ結論から言おう。このままいけば、安倍自民党は"空前の圧勝"を果たすことが確実である。

 参院選では、都道府県がひとつの選挙区となる。そのうち、当選者が一人だけの「1人区」が31あるが、なんと自民党はそのすべてで勝利。「2人区」(北海道、宮城、新潟など)、「3人区」(埼玉、千葉、愛知)、「4人区」(神奈川、大阪)、そして「5人区」(東京)のすべてで当選者を出す"完全勝利"の可能性が高く、選挙区当選者だけで49人に達する見込みだ。

※3「維新」の候補者が実質的に当選圏

 そして比例代表のほうも、怒濤のような自民党の勢いは止まらない。今回の調査協力者のうち、32・1%が「自民党もしくはその候補者に投票する」と回答。これを昨年12月衆院選時の有権者数に割り当て、ドント式による議席配分を行うと、獲得議席数は28となる。比例代表の議席は48のため、まさに圧勝だ。

 合計すると、自民党の推定獲得議席は77。今回の非改選組と合わせると参院での勢力は126に達し、安倍首相が目標とする「単独過半数」が可能となる。

 これに対し、壊滅的としか言いようがないのが民主党だ。民主党は、各地で自民党候補にかなりの差をつけられており、選挙区で当選できそうなのは、複数人区で次点以下に滑り込む可能性がある8人のみ。

 比例代表での支持率はわずか4・5%で、こちらの予想獲得議席もたった4。民主党の今回の改選組は43人もいるが、そのうち生き残れるのは12人、という悲惨な結果となった。

 それぞれの有権者たちは、どんな理由で自民党とその候補を支持し、なぜ民主党に不満を持っているのか。その生の声を一部、紹介しよう。

「衆参のねじれを解消し、アベノミクスをはじめとした日本再生策を強力に推進してもらうため。もう試しに野党にやらせてみようという余裕は今の日本にないと思う」(福島県・会社員男性・47歳)

「一度民主党に政権が変わったが、今まで主導権を握ってきた政党ではないこともあり政策の進め方がイマイチだったイメージが強い。不慣れな政党が主導権を持つとデメリットが目立つ印象がある」(山梨県・会社員女性・26歳)

「民主党政権下で日本はボロボロになった。中国・韓国に土下座するだけでまったく日本としての主張がなかった。それに比べて今の安倍政権は日本を普通の国として世界に認めさせようとしている」(京都府・会社員男性・62歳)

「今の日本の情勢について言いたいことは沢山あるが、あれだけ期待された民主党があの体たらくである。他の野党に期待する気にはとてもなれず、自民党以外に投票先はないと思っている」(沖縄県・無職男性・55歳)

 有権者が自民党に抱いている印象は、「安定感」。国民は政権がコロコロと変わり、混乱してきたこの数年間に、心底嫌気が差していることがよく分かる。

 当然、その混乱の元凶だと見做されている民主党に対しては厳しい声が多い。

「今の政治にあまり期待できないが、民主党政権でのあのまずい政策を見れば、自民党政権のほうがよっぽどましである。世界各国もそれを歓迎しているのが、今現在の日本の経済状況であると思う」(山形県・会社員男性・55歳)

「民主党には期待したがまったくというほど結果を出せなかった。それどころか悪くなる一方だったと思う。しかし自民党に変わってから、少しでも景気回復の足がかりが見えている」(福井県・無職男性・29歳)

「民主党ではまったく指導力不足だったし、決断もにぶく、中国や韓国、北朝鮮等に対する態度もとても不満だった。きちんと発言できる政党は、今のところ自民党かと思われる」(熊本県・パート、アルバイト女性・47歳)

 民主党に対しては、「裏切られた」「期待はずれ」という失望・非難の声が多い。何よりも政権を担った3年間で「日本の景気がますます悪化した」というイメージが強いようだ。

 ただ、一部ではあるがこんな擁護の声もある。

「駄目な民主党だけど、前回の実力不足を素直に認めて成長することを期待したい」(民主党支持・愛知県・無職男性・63歳)

「戦後何十年も自民党が国民のことを考えず好き勝手してきたツケが今の日本をダメにしたので、民主党にもっとがんばってほしい」(民主党支持・長崎県・専業主婦・63歳)

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