安倍・金正恩会談の布石か!? 飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問が意味するものとは
〔PHOTO〕gettyimages

 永田町関係者の間で、安倍官邸4階に執務室を持つ飯島勲内閣官房参与(危機管理担当)ほど毀誉褒貶相半ばする人物はいない。

 小泉純一郎元首相が2度目のチャレンジで衆院議員に初当選した1972年以来秘書を務めていた同氏が何時の頃からか愛車キャデラックを駆っていたことから、小泉氏暗黙の了解のもと国立病院医療関係用具・寝具の利権に関わっているとの話が流れたこともあった。

 一方、2001年4月に小泉政権が発足、5年に及ぶ長期政権の過程で首相秘書官(政務担当)として霞が関の中堅・若手を掌中にし辣腕を振るったことから「官邸のラスプーチン」と称されたこともあった。もちろん、小泉首相の02年9月と04年5月の2度の訪朝に同行している。

 以来、朝鮮総聯最大の実力者である許宗萬議長(当時は責任副議長)との太いパイプを築き、今日に至ることは周知の通りだ。今回の飯島氏の訪朝(5月14日~18日)に関しても、この許宗萬ルートが活用されたとの報道が支配的である。果たして、それは本当なのか。

キーワードは資源エネルギー・ビジネス

 飯島氏は、実は北朝鮮だけでなく中東のトルコ、中央アジアのカザフスタン、北欧のフィンランドにも強力なアクセスがあることを知る者は少ない。先の安倍晋三首相のロシア・中東3ヵ国歴訪の最終訪問先はトルコであったが、安倍首相とエルドアン首相との会談で同国が黒海沿岸シノプに建設する原子力発電所を三菱重工と仏アレバ社連合が受注することが確定した。首相のトップセールスで2.2兆円規模の大型商談を得たと報じられたのは記憶に新しい。

 トルコ原発受注戦に関しては、実は三菱重工・アレバ社連合以外に中国と韓国も名乗り上げ、昨年2月には中国の習近平国家副主席(現国家主席・共産党総書記)がトルコ訪問時に原発レース参入を表明、その後、熾烈なロビイングが繰り広げられていた。

 筆者は昨年春、当事者が認めないので断定できないが、飯島氏が三重工のエージェントとして対トルコ裏工作を担っているとの情報を得ていた。そして、フィンランドもまた、対岸のバルト3国のリトアニア同様原発建設構想を持つ。

 改めて指摘するまでもなく、カザフスタンは、ウランを筆頭にボーキサイト、亜鉛、クロム、マンガンなど鉱物資源の世界有数の宝庫であり、今やアベノミクス(安倍経済政策)の司令塔である甘利明経済財政・再生相が第1次安倍内閣の経済産業相時代に訪問したことが、その後の政・経・官界のカザフスタン詣での引き金となった。だが、これらカザフスタン、トルコ、フィンランドは小泉首相が退陣する直前に訪問した国々である。

 小泉元首相の政界引退後、同氏とは縁が切れたとされる飯島氏だが、表の顔として地元・松本市の私立大学客員教授でメディアに露出、一方では英国大手金融機関の日本法人顧問を務めるなど実質的にはロビイストの役割を果たしてきたと言われている。

 そのキーワードは、資源エネルギー・ビジネスである。そのターゲットのひとつが、北朝鮮ではないか。資源開発のためのインフラは全く未整備であるが、同国にはタングステン、ボーキサイトなどの希少価値鉱物資源や石炭、鉄鉱石の巨大な埋蔵量が確認されている。

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