白木夏子HASUNA社長
「ジュエリーという事業を通して人と世界を変えていきたい」

本荘 修二
HASUNA Co.,Ltd.
代表取締役・チーフデザイナー・白木夏子さん (
@HASUNA_N
1981年鹿児島県志布志市生まれ、愛知県一宮市育ち。2002年から英ロンドン大学キングスカレッジにて発展途上国の開発について学ぶ。卒業後は国連人口基金ベトナム・ハノイ事務所とアジア開発銀行研究所にてインターンを経験し、投資ファンド事業会社勤務を経て、2009年4月にHASUNA Co.,Ltd.を設立。人と社会、自然環境に配慮したエシカルジュエリーブランド事業を展開。日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011キャリアクリエイト部門受賞。2011年世界経済フォーラムが選ぶ日本の若手リーダー30人に選出。2012年APEC(ロシア)日本代表団としてWomen and Economy会議に参加。2013年世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に参加。

 これからが楽しみな女性起業家に経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘が話をうかがう本連載の第四回は、世界とつながり、よりよい明日をつくろうと取り組むエシカルジュエリー制作・販売の株式会社HASUNAの白木夏子さんの登場だ。

 今回はインタビュー本文に入る前に、事業の説明をしておきたい。HASUNAが制作・販売するエシカルジュエリーとは何か。エシカル(ethical)とは、「倫理的な・道徳的な」という意味だ。宝石や貴金属などの採掘現場では劣悪な労働条件や児童労働、搾取が横行しており、環境汚染もみられる。美しく、人の幸せをつかさどるジュエリーに社会の暗部が付随していては、真の笑顔は得られない。

 HASUNAは、紛争や児童労働がなく、環境に配慮して採掘されたカナダ産、ボツワナ産のダイヤモンド、コロンビア産の金などを使用している。その他ベリーズの貝殻・黒珊瑚、ルワンダの牛の角、ミクロネシアのパール、パキスタンの宝石なども、現地へ足を運び、フェアトレードで仕入れている。

ビジネスを通して世界を変える

 エシカル消費は、イギリス、フランス、アメリカなどでは随分すすんでいます。どこに行っても、フェアトレードやリサイクル、オーガニックなどエシカルなマーケットに響くプロダクトラインが打ち出されています。人や社会、自然環境のためになることをしようという機運がますます広まっています。

 HASUNAの原点には、インドの鉱山で目撃したひどい労働環境があります。なんとかしたいと思いますが、可哀そうだと暗い気持ちになって欲しくはありません。このジュエリーを身に着けると、世界中で笑顔が増えるという思いでやっています。NPOの活動でも、可哀そうだからといって何かしてくれる人は少ないものです。

 買っていただいても、お客様が気に入らなければ、意味がない。また、商品を気に入っていただければ、そこからHASUNAの考えを知って、賛同者となってくれることもあるでしょう。私はジュエラーとして、モノで勝負したい。

 エシカル消費は拡大傾向だ。イギリス最大の消費者グループCo-operative Groupが発行するエシカル消費者市場レポートによると、イギリスでのエシカル消費は1999年£135億から2011年£472億(7兆円強、£1=約155円)に拡大している。2011年でパーソナルプロダクトは£17.9億、フェアトレードは£12.6億に上る。

 もっとも、HASUNAはエシカルだけで商品を推しているわけではない。社会起業というと、NPOをつくって寄付を集めて、という展開を連想するかもしれないが、市場論理でビジネスをやることで世の中をよくしようという社会起業が増えている。HASUNAはその一つ。「モノで勝負」という言葉に、あくまでジュエリーというビジネスで、その思いを世に問う意志が現れている。

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