時代の羅針盤か、それとも徒花か!?太陽光発電装置販売で売上高135億円のベンチャーを率いる27歳起業家の"野望"

2013年05月16日(木) 伊藤 博敏
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 民間調査会社のレポートによれば、業績の伸びは驚異的といっていい。

 設立の翌年2010年12月期の売上高は15億4,400万円で経常利益が1,100万円。11年12月期には売上高は73億4,200万円に跳ね上がり、経常利益は2億1,200万円。直近の12年12月期は、売上高135億5,200万円、経常利益5億800万円を達成した。

 大手住宅販売会社と組み、太陽光発電機器の自社ブランド「WORLD SOLAR」を販売する。全量買い取り制度の追い風を受け、全国47カ所に営業拠点を持ち、300人の営業部隊が売りまくった結果が、右肩上がりの急成長だった。

 高卒のハンデ、光通信で養った販売力と人脈、人の3倍は食うという強靭な胃袋、誰とでも会い、それをリスクと思わない若さ、無茶な言動も産業界の"大人たち"に、すれすれで認めさせてしまう愛嬌・・・。

 秋田は、ベンチャー経営者に必須な要件を備えている。

営業力は抜群だが、「信用」がない・・・

 だが社会は、この種の無勝手流の成功者に冷たい。何か失敗があればと、揚げ足を取るチャンスをうかがっているし、秋田には、材料を提供する脇の甘さがあった。きっかけは、昨年末の資金繰り悪化である。エステート24HDの急成長を、逆に「将来不安」と捉えた金融機関が、毎年、電力の買い取り価格が見直されることもあって、貸し剥がしに入った。

 それが横並びで起きたことから、エステート24HDの資金担当者は、調達に奔走、いずれもうまく行かず、最終的に筋の良くない先からの調達に走る。それが、街金業界では「シビアな回収」で知られるアオヤマ(本社・神奈川県横浜市)であり、同社とタイアップしている東新商事(本社・東京都千代田区)だった。

 昨年11月末、金融機関への返済原資5,000万円を借り受ける際に生じたアオヤマ代表・青山清利とのトラブルは、複雑過ぎるので詳述しない。結果だけ記せば、会社の実印や銀行印が持ち出され、秋田を含む全役員は解任された。

 それに対して秋田は、株式詐取の被害届を大阪府警に提出、アオヤマ側の代表者の職務執行停止処分を大阪地裁に申請。これが認められて、秋田は社長に復帰したものの、エステート24HDの銀行口座などは差し押さえられたままなので、新たにグローバルエナジーHDを設立、営業はこちらで行うようになった。

 金融業者の悪徳な乗っ取りの手口に翻弄させられたわけだが、隙を与えた秋田に責任があるのはいうまでもない。

 この頃、秋田がアフィリエイト広告で「秒速で1億円を稼ぐ」という胡散臭さの極致のような与沢翼と対談したり、『日本経済新聞』に全面広告を打ったり、といった目立つ活動に入ったこともあり、「月商10億円の27歳の経営者」は、ネットなどで、本人の遊興、資金繰り不安、アオヤマ側に立った借金情報が流れ、苦境に立った。

 要は、営業力は抜群だが、ガバナンスとコンプライアンスに欠ける。そこに風評被害が加わったのだから致命的で、金融機関からの新たな資金調達に欠かせない「信用」が、なかなか生まれない。

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