時代の羅針盤か、それとも徒花か!?太陽光発電装置販売で売上高135億円のベンチャーを率いる27歳起業家の"野望"
伊藤 博敏 プロフィール
エステート24ホールディングスのHPより

 電力自由化という規制緩和に加えて、全量買い取りという保証のついた再生エネルギー事業は、多くの野心あふれるベンチャー経営者を育成している。

 ドイツなど再生エネルギーの先進国がそうであるように、やがて制度は見直され、優遇措置は消え、再編淘汰されるだろうが、それまでは玉石混交の太陽光発電や風力のベンチャー企業が、同業者はもとより、ソフトバンクや京セラなど大企業の再生エネルギー部門と生き残りをかけて争うことになる。

ブームの先行きを占うベンチャー経営者

 秋田新太郎というベンチャー経営者がいる。1985年生まれの27歳。高卒後、「販売のプロの養成所」といわれる光通信に入社。通信機器販売、オール電化商品の営業に従事した後、住宅機器販売会社を経て、23歳で太陽光発電装置の販売会社・エステート24ホールディングス(HD)を、大阪市中央区に設立した。

 ブームの先を読むには、羅針盤のような経営者が必要である。

 1990年代の後半、通信の自由化とIT革命、それに東証マザーズの設置などでベンチャーブームが巻き起こった時、それをリードしたのはソフトバンクの孫正義と光通信の重田康光だった。

 双方とも、「ベンチャーの星」と持ち上げられたものの、やがて「ブームに乗った株価頼み経営」を批判され、マスコミの猛烈なバッシングを受けて地獄を見た。が、その後、孫は携帯電話買収という賭けにでて勝利、重田もまた創業の地の池袋に戻り、販売力を生かして復活した。

 秋田は、今、間違いなく太陽光発電ブームの先行きを占うベンチャー経営者である。

 民間調査会社のレポートによれば、業績の伸びは驚異的といっていい。

 設立の翌年2010年12月期の売上高は15億4,400万円で経常利益が1,100万円。11年12月期には売上高は73億4,200万円に跳ね上がり、経常利益は2億1,200万円。直近の12年12月期は、売上高135億5,200万円、経常利益5億800万円を達成した。

 大手住宅販売会社と組み、太陽光発電機器の自社ブランド「WORLD SOLAR」を販売する。全量買い取り制度の追い風を受け、全国47カ所に営業拠点を持ち、300人の営業部隊が売りまくった結果が、右肩上がりの急成長だった。

 高卒のハンデ、光通信で養った販売力と人脈、人の3倍は食うという強靭な胃袋、誰とでも会い、それをリスクと思わない若さ、無茶な言動も産業界の"大人たち"に、すれすれで認めさせてしまう愛嬌・・・。

 秋田は、ベンチャー経営者に必須な要件を備えている。

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