学費高騰が続くアメリカ名門大学に意外な「敵」が! コンサルティング会社が設立をもくろむ新たなビジネススクール

2013年05月16日(木) 田村 耕太郎
〔PHOTO〕gettyimages

9割引きされるアイビーリーグの学費

前々回の本欄で記したように、私は先日、ハーバードビジネススクール(HBS)に招待され、授業内で講演に行った。ハーバードではまた、多彩な方々が食事に招いてくださった。その中でしばしば出た話題は、ハーバードをはじめとするアメリカ名門大学の「学費の高さ」である。

 この「学費」が将来どうなるかについて、非常に興味深い生の話を聞くいことができた。今回は、この問題について考えてみたい。

 アイビーリーグ各大学の学費は、確かに高い。しかし、一般論として言われる「州立大学の学費の方が(アイビーリーグなどの)私立大学より安い」というのは間違いだ。

 アイビーリーグ各校の学部には、家族の所得や資産に応じたディスカウントがある。例えばエールもハーバードも、規定された学費は5万ドル(約500万円)を超えるが、それがフルに適用されるのは、家族年収が20万ドル(約2,000万円)を超える学生のみ。年収8万ドル(約800万円)の家庭なら、ハーバードで8,000ドル(約80万円)、エールで6,500ドル(約65万円)と、何と「8割引き」以上のディスカウントになる。

 家族の年収が2万ドル(約200万円)以下となれば、両校とも学費は4,000ドル(約40万円)を切り、「9割引き」となる。こうなれば州立よりずっと安い。

 このように、アメリカのアイビーリーグ各校の学部の学費は、潤沢な寄付金を使って、低所得者に対しては世界でも類を見ないくらいの配慮がなされていることを最初に伝えておく。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。