カイジ「命より重い!」お金の話
【第6回】「うまい話」は経済学的にあり得ない


漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?

自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。

(作者:福本伸行 講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)


【第5回】はこちらをご覧ください。

 今週の金曜日、5月17日の21時から、映画『カイジ』がテレビで放送されます

 漫画も映画も観たことない方はぜひご覧ください。

 漫画しか読んだことない方も、ぜひご覧ください。

 前に映画を観た! という方も、もう一度ぜひご覧ください。

 私がここでテレビの宣伝をするのもおかしい話ですが、この連載でお伝えしたいことがよく理解いただけると思うのです。みなさん、ぜひ!

"うまい話"は経済学的に、あり得ない

 「世の中においしい話などない」と誰もが"理解"しています。しかし、毎年毎年多くの人が詐欺の被害にあっています。

 警察庁の発表によると、2012年に認知された振り込め詐欺の被害額は、前年比27.1%増の161億6,277万円で、3年連続で増えました。件数は2.7%増の6401件で微増、しかし1件当たりの平均が272万円で27.7%増と、大幅に「高額化」しています。

 振り込め詐欺は、社会的にも"知れ渡った手法"です。それでもなお、これだけの人が騙されてしまうのです。

 この連載の読者の多くはまだ"オレオレ詐欺"のターゲットにはされない年代だと思いますが、儲け話を装った投資詐欺などには狙われるかもしれません。

「この投資は絶対損をしないんです」
「500万円を預けていただければ、3年後に1,000万円になります!」
「絶対儲かる未公開株のご紹介です」

 このような誘い文句で、あなたのお金を奪おうとする人がいます。最近の"流行り"は、未公開株をネタにした投資や、世間で話題になっているキーワードにかこつけた投資の勧誘のようです。

 未公開株とは、まだ上場していない企業の株式のことです。上場したときに、株価が大幅に上がる可能性があり、未公開株を持っていると儲かることがあります。

 かつて日本中を騒がせたリクルート事件も未公開株に関する事件でした。これから上場するリクルートの関連会社(リクルートコスモス)の株を不正に取引したのが、リクルート事件です。上場すれば値上がり間違いなしだった株を、賄賂として政治家に渡した、とされています。

 この事件は贈収賄として、一大スキャンダルになりましたが、やはり未公開株は儲かる(可能性が比較的高い)のです。そこを突いての詐欺が後を絶ちません。

 また、震災後は「グリーンエネルギー関連事業に投資しませんか?」、京都大学の山中教授がiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した後は、「今話題のiPS細胞を扱っている会社のご紹介です」などと言って、あなたのお金を引き出そうとするのです。

「絶対儲かる」
「今が旬だから、これを逃したらチャンスはない」
「あなただけにお伝えする情報です!」

 といいますが、普通に考えて、そんなうまい話はあるはずがありません。冷静に考えれば、誰でも「なんか怪しい」と感じるでしょう。しかし、結果的に騙される人が跡を絶たないのです。

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