わずか一年で社長が交代!反転攻勢を目指す「新生シャープ」が抱える課題は「液晶」と「銀行」
シャープの社長交代記者会見で奥田隆司社長(左)と高橋興三新社長(筆者撮影)

 シャープは5月14日、決算と中期経営計画を公表すると同時に片山幹雄会長、奥田隆司社長の「ツートップ」の退任も正式に発表した。後任の社長には高橋興三副社長が昇格する。奥田氏は、取締役も執行役員も退任するが、会長職で残る。人事は6月25日付。

 片山氏の退任は無防備に液晶事業を拡大させたことによる経営責任を明確化させるためだ。奥田氏は就任からわずか1年で異例の退任となるが、中期経営改革の策定が遅れるなど経営再建を軌道に乗せることができなかったことなどによる事実上の引責辞任である。

 本来ならば、片山氏は昨年引責辞任すべきところであった。しかし、代表権のない会長という中途半端な形で残り、イケイケどんどんの性格も相まって外資との提携交渉に暗躍したため、社内では奥田氏と片山氏の「2頭政治体制」に陥り混乱を招いた。今回も奥田氏が同様に会長として残る。

 「黒子となって支えたい」と奥田氏は言うが、取締役、執行役員という身分がないままの会長就任であり、その役割が外部からは何とも分かりづらいポストだ。今のシャープにとって会長職は不要のポストに見える。

強まる銀行管理色

 懸案だった2013年9月の転換社債償還資金を銀行から追加融資受けることが決まり、当面の資金繰り対応には目途がついた。その一方で、運転資金を間接金融だけに頼る「銀行管理色」が一層強まっており、両氏の退任は、みずほ、三菱東京UFJのメーンバンク2行から強烈に圧力がかかったものと見られる。同時に両行から取締役2人を受け入れることも決めた。

 2013年3月期決算は売上高が前期比0・9%増の2兆4785億円、営業損益は赤字額が約4倍に膨らみ1462億円。当期純損益は赤字額が約1・5倍の5453億円と2年連続で過去最高額を更新した。当期純損失が大きく拡大したのは、液晶パネルやAV機器の固定資産を減損処理したり、構造改革費用を特別損失として計上したりしたためだ。

 

 銀行が継続融資する条件のひとつだった「下半期営業黒字」については目標を達成、226億円の黒字を計上したが、年間を通じると上半期の赤字が響いたため、赤字となった。

 2年連続で巨額の当期純損失を計上したことについて奥田社長は「これで区切りがついたと考えている」と説明。減損処理や構造改革費の計上はこれで打ち止めという意味だ。液晶事業を除く事業は黒字化しており、本業では水面下からやっと頭を出してきた感がある。

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