古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン動画版Vol.003 第2回---目標と計画なきTPP。交渉は日本の農業とアメリカの自動車という既得権グループを守るだけで終わるのか?!

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安倍首相は本当に「改革派」なのか

古賀: 輸出産業になるんだったら、例えば米も輸出できるようにするというのなら、5年後にはこういう米がこれぐらい安く生産できるようにするんですよという目標が必要です。米だけじゃなくてほかのものについても同様だし、それからその時点で世界の食糧需給がどういう環境になっているのかという見通しも立てなくてはいけない。

 将来、食糧自給はそうとう逼迫するって言われていますね。農水省はそれを強調して、だから食料自給率を上げるために農業を守るんですと、変なことを言っているんですけど、では、本当に農水省が言うように食糧自給が逼迫したら米の値段は5年後にいくらになっていると見ているのか、10年後ならいくらだと考えているのか、そういう見通しが一方にあって、だったら日本の米をここまで育てればいいですね、5年後にはこういう目標ですね、10年後こういう目標ですねと、目標が出てくるはずです。

 そしてその目標があるんだったら、そこにたどり着くための計画が必要になります。それは政策も含んで。政府はこういうことをやりますよ、農協はこういうことを努力します、そして農家はこういう努力をしますよということで、全体の計画ができる。その計画があれば、今度はTPPの交渉をするときに、例外品目をどうするかということ以外に、例えば関税の下げ方というのも突然ゼロにするのか、何年でどれぐらい下げるのか、10年後にはこれぐらいだと、そういう交渉をやるときの基準ができるわけですよ。

 その計画に沿った関税引き下げであれば、別に問題ないということになりますよね。逆に、その計画からまったくかけ離れたことを要求された場合には、それは断固として拒否するしかないというようなことにも判断の基準として使うことができるんです、目標や計画があれば。それが今、まったくないんです。ないというだけじゃなく、それをつくろうという議論になっていない。

 米の値段を下げるなんて、もう今は聖域になっています。一方で、輸出産業にするのであれば、当然、生産量だって増やすべきですよね。そのためには減反政策という今の農業政策の根幹を変えなきゃいけない。でも、そういう議論がぜんぜんないですね。

 そうすると結局、今のままのやり方で進むなら、ウルグアイラウンドと同じことになりますよ。3兆円の被害がでるから大変だ、3兆円損するんだぞと、どうしてくれる、3兆円の被害なんだから毎年3兆円出せと。それに対して、そんなに出せるはずないでしょという反論が出ると、じゃあ、1兆円でどうですかとか、そういう話になってくるんですよ。

 だけど、仮に1兆円という予算が毎年つくなんていう大盤振る舞いの決着で担ったとしても、目標も計画もなにもないんですから、とりあえず今年、1兆円なにに使うの? と言うことになる。それじゃあ、いちばん手っ取り早く公共工事を増やしましょうとか、農道をつくりましょうとか、ハコモノをつくりましょうとか、そんな話になりかねない。

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著者:古賀茂明
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