リスクの高い原発のプール貯蔵。原発事故は起きないという根拠なき楽観論が新たな貯蔵方法を遠ざけている
古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジンVol.057 読者との対話より
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【「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン」Vol.057 目次】
―第1部― 日本再生のために
 ■1.憲法改正にひた走る安倍政権
 ■2.何故か報道されないオスプレイ降下訓練事故
 ■3.安倍総理訪ロとエネルギー改革
 ■4.またも壮大なる無駄になるのか---マイナンバー法案
―第2部― 読者との対話
―第3部― 古賀さんの日程
―第4部― メルマガ動画版の書き起こし(動画版第1回 2013年3月22日配信分)

―皆さんからいただいた質問やご意見へのコメント―

いつもいろいろなメッセージありがとうございます。なかなか全部に回答できずに申しわけありませんが、今週もいただいたメッセージのいくつかをご紹介させていただきます。

増え続ける原発の汚染水問題に対しクリアすべき課題は山積み

 現在福島第一で直面している増え続ける汚染水問題は本当に心配です。一日400トンも増えるというのでは幾らタンクを増やしても間に合う筈がありません。地下水の流入を抑える手だてを一刻も早く国も全力で支援して施すべきですね。簡単な話ではないのでしょうが……。これは全くの素人考えなのですが、とりあえずの手段として福島第二に大急ぎでタンクを設置して、第一からタンカーで第二に海上輸送するという方法は非現実的ですか? 溢れる前に何とかしなければ大変な事になりますよね。「原発ゼロの会」の河野太郎さんにも同じ提案してみたのですが・・・・・・。検討に値しない考えでしょうか?

【古賀茂明さんのコメント】 いろいろな手段が考えられているようですが、ご提案の福島第二への移送も検討する必要はあると思います。ただし、地盤の安定性をはじめクリアすべき課題は多いと思います。

 この問題が、何故本腰を入れて取り組まれないのかを考えてみたら、ちょっと怖いことに気づきます。東電は、ずっと以前から、「関係者の理解が得られない限り、絶対に汚染水を海に流さない」という趣旨のことを言っています。「絶対に」「流さない」ということが強調されているのですが、皆さんお分かりのとおり、逆読みすれば、関係者の理解が得られれば流すということになるわけです。近々、漁業者への状況説明会を行うようですが、まさか、海に流す相談の始まりではないだろうな、と心配しているところです。

 どうせ最後は海に流せばいいや、と考えているとしたら、そんなに必死になってタンクを作っても仕方ないという考えになる可能性があります。絶対に許してはいけないことです。

燃料プールに燃料を入れたままの原発が放置されていることにを危機を感じます

 いつもメルマガやTVでのコメントを楽しみにしています。

 さて、以前にも一度提案のような形でメールさせて頂きましたが、日本列島は、地震が相次いでいて、何時何処で地震により原発事故が起きてもおかしくない状況です。東海地震など近いうちに必ず起きると言ってよいのではないでしょうか?

 そんな状況にもかかわらず、停止中とはいえ、格納容器や燃料プールに燃料を入れたままの原発が放置されています。私は、それらのすべての燃料を抜き取り乾式キャスクに移すことで、絶対に第二の原発事故だけは起こさないようにするべきであると思うのですが、いかがでしょう?

 明日にでも西日本の原発が地震に襲われ冷却不能に陥りメルトダウンしたら偏西風に乗った放射能で日本は住めなくなってしまうのではないかと心配で仕方ありません。関西や首都圏まで住めないほど汚染されてしまったら、日本は終わってしまうと思うのです。どこで大きな地震が起きてもおかしくない今の日本の原発からは全て燃料を抜くべきだと思うのです。

 全ては、事故が起きないようにしておいてからだと思うのですが、このようなことは政治的に難しいのでしょうか?

【古賀茂明さんのコメント】 大変重要なご指摘です。乾式貯蔵は、日本でもごく一部行われています。福島第一原発でも、一部行われていて、津波につかりましたが、全く問題は起きませんでした。プール貯蔵だと、どうしても冷却システムに故障が起きたり、電源が喪失した場合のリスクが大きくて、特に、全く新たな段階に入った日本の地質構造の変化を前提にすると、一国も早く乾式貯蔵に切り替えた方が良いはずです。

 ただ、これまでのやり方を変えることには、電力業界や経産省などに根強い抵抗があります。プール貯蔵の危険性を認めることはできないということがまず第一にあります。一つ見直すと、核燃料サイクルや中間貯蔵場問題、最終処分法など、様々な問題の抜本的な見直しにつながるのではないかという防衛本能が働くからでしょう。・・・・・・