『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』
~第2章 第1の変化「すべてのデータを扱う」より~

2013年最大のキーワード「ビッグデータ」を初めて本格的に論じたベストセラー、待望の翻訳!!
我々の未来の生活、仕事、意識、すべてが「ビッグデータ」によって大きく変わる!


伊藤穰一(MITメディアラボ所長)
「押し寄せる情報の波によって、世の中の捉え方自体が根本から変わろうとしている。この事実をあぶり出すうえで新境地を切り開いたのが、本書『ビッグデータの正体』だ。企業はいかに新たな価値を生み出すことができるのか、人々は物事の認知のあり方をどのように変える必要があるのか---本書は大胆な主張と見事な語り口でその答えをはっきりと示している」

ローレンス・レッシグ(ハーバード大学ロースクール教授、『Free Culture』著者)
「物の見方を大きく変えてしまう本が10年に数冊は登場するが、まさに本書がそれだ。社会はビッグデータがもたらす変化に目を向け始めている。本書はその重要な出発点となる」

第1章〈「量」が変われば「本質」が変わる〉他はこちらをご覧ください。

第2章 第1の変化「すべてのデータを扱う」
「N=全部」の世界

 世界を数量的に捉えて解き明かそうという人類の挑戦が始まった。その重要な第一歩となるのが、ビッグデータだ。かつては計測も蓄積も分析も共有も不可能だった物事が、次々にデータ化されていく。ごくわずかなデータではなく、膨大なデータを丸ごと活用し、少々精度が劣っても大量のデータを利用することで、世の中を解き明かすのだ。やがて社会は、因果関係を重視する昔ながらの姿勢を捨て、多くの場合、相関関係の恩恵にあずかるようになる。

 原因を特定する作業は、本当に唯一の理想なのか。それは、いわば現代の一神論のようなもので、これを根底からひっくり返すのがビッグデータだ。我々は今、再び歴史的な閉塞状態のまっただ中で、"神"の死を突きつけられている。これまで信じてきた確かなる存在が、またもや崩れようとしているのだ。

 ただし、今回は我々が崇めてきた"神"よりも力のある根拠が現れてしまった。では、直感や忠誠心や不確実性、はたまた根拠が矛盾したときの対処術やら、経験からの学びといったものは、もうお払い箱なのか。因果関係から相関関係へと軸足を移す中、社会の基盤を揺るがすことなく、前に進むことができるのか。

『ビッグデータの正体』
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 本書では、現在、我々が置かれている状況やこれまでの経緯について解説し、この先に待ち受けているメリットと脅威を明らかにしていく。緊急対策としても生かしてもらえる指南書である。

 ビッグデータの醍醐味は、個々の情報の関係性をあぶり出す点にある。IBMのビッグデータ専門家、ジェフ・ジョナスは「データに語らせる」必要性を説く。

 「何を今さら」と思われるかもしれない。確かに昔から人間はデータを活用してきた。日常生活でもデータを使ってあれこれ観察しているし、この数百年を振り返っても、高度なアルゴリズムで処理する数値化作業を積み重ねてきた。デジタル時代は、いとも簡単にデータを高速処理できるようになり、膨大な量の計算もほんの一瞬だ。ところが、データに何かを語らせるとなると、話はまるっきり違ってくる。