全都道府県で65歳以上人口が3割超へ
40年の人口 大都市部が猛烈なピッチで高齢化【人口推計】

 2040年には全都道府県で65歳以上の高齢者の割合が人口の3割を超す――。このような人口推計を厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所がこのほど公表した。10年から40年にかけて65歳以上の人口が1・6倍に増える神奈川県のほか、埼玉、千葉、東京、愛知、滋賀などで高齢者人口が1・4倍以上になると見込まれ、都市部で猛烈なピッチで高齢化が進む。医療や介護、年金などの社会保障制度の再設計や、働き手の減少を補う移民の検討も課題に浮上してきそうだ。

 公表されたのは「地域別将来推計人口」。10年の国勢調査をもとに死亡率や人口移動などのデータを参考に、40年までの市町村別と都道府県別の人口を推計した(福島県は県全体のみ推計)。

 10年の65歳以上の高齢者の割合は全国平均で23・0%。それが25年には30・3%、40年には36・1%にまで上昇する。都道府県別にみると、40年に最も高くなるのは秋田(43・8%)で、次いで青森(41・5%)、高知(40・9%)の順。北海道(40・7%)、徳島(40・2%)も4割を超す見込みだ。

 高齢化率は大都市を抱えていない人口の少ない県で高くなる傾向がある。しかし、そのような県はすでに現状でも高齢化が進んでおり、高齢者人口の規模は大きくは増えない。少子化で若年層が減るために高齢者の比率が高まる格好で、その傾向が顕著な秋田では高齢者人口は25年から逆に減少に転じるとみている。

 高齢者人口は沖縄でも急増する。それ以外は大都市圏でのお年寄りの人口の増加が目立つ。75歳以上人口となると、これまで人口が急激に増加してきた埼玉、神奈川の両県は10年の2倍以上になり、千葉、東京、愛知、滋賀、大阪、沖縄の6都府県でも10年の1・7倍以上になると推計される。

団塊ジュニアも高齢者に

 都市部での高齢者人口の増加について同研究所の小池司朗・人口構造研究部第2室長は「高度成長期に団塊世代が全国から大都市圏に職を求めて進出し家庭をつくった。この層が今、65歳を超え退職の時期を迎え始めている。40年には71~74年生まれの団塊ジュニアも65歳以上になってくる。一方、若者が都会に出て行った非大都市圏では団塊世代の比重が低い。これが大都市圏での高齢化のスピードが速い理由だ」と説明している。

 一方、全国の総人口は10年(1億2805万7000人)を100とした場合、40年(1億727万6000人)は83・8。05年から10年にかけては38道府県で総人口が減少したが、15年から20年の間に沖縄を除く46都道府県で総人口が減少する。20年から25年にかけて沖縄県の総人口も減少に転じ、40年にはすべての都道府県で総人口が10年を下回る。

 減少が最も緩やかなのが沖縄(98・3)で、次いで東京(93・5)、滋賀(92・8)、愛知(92・5)、神奈川(92・2)の順となっている。逆に減少が最も激しいのが秋田(64・4)だ。それに続いて青森(67・9)、高知(70・2)、岩手(70・5)、山形(71・5)と、現状でも過疎化が進み限界集落などの問題が顕在化している地域を抱える東北地方の各県などの落ち込みが大きい。

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