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グーグル・グラスの試作機デビュー、評判は散々

〔PHOTO〕gettyimages

 昨年から巷の話題に上っている「グーグル・グラス(Google Glass)」が、先週辺りから一部のアプリ開発者や先進ユーザーに向けて試験的に販売された。価格は1500ドルと見られる。

 グーグル・グラスはグーグルが開発中の眼鏡型デバイスだ。いわゆるWearable Device(身につけられる情報端末)の一種で、眼鏡を通して見える景色にインターネット上の情報を重ねて表示できる。あるいは逆に、眼鏡付随の超小型カメラで撮影した写真やビデオを、ネット上にアップロードしたり、友人にメールで送ったりすることもできる。これらの操作は音声、あるいは眼鏡のフレームについた小型タッチパネル、さらには頭を上下左右に振るなどモーションでも行うことができる。

 ただし(今のところは)携帯電話回線に直接接続する機能が装備されていないので、インターネットにつなぐにはWi-Fiを使うか、あるいは手持ちのスマートフォンにBluetoothで接続し、そこからテザリング機能を使って間接的に携帯電話回線に接続する必要がある。

続々と指摘される問題

 既に実際の使用体験に基づいて、多くのレビューが各種メディアやブログ上で書かれているが、そのほとんどはネガティブな論評である。

 いわく「音声やモーションによる操作が上手くできない」「屋外で使用中に、気が散って危ない」「情報や映像が至近距離に表示されるので疲れるし、ときには頭痛を引き起こす」「バッテリーが3、4時間しか持たない」「(普通の眼鏡のように)折り畳むことができない」「明るい場所では(眼鏡に表示される情報が)見え難い」等々。

 挙句の果てには、米国の人気コメディ番組「Saturday Night Live」でコケにされるなど、散々なデビューとなった。

 それでも、1500ドルでこれを購入した少数の人たちは、恐らく後悔していないだろう。彼らは、グーグル・グラスが一般消費者向けに製品化されたとき、そこに向けてアプリを真っ先に提供しようとしているソフト開発者、あるいは「Innovator」と呼ばれる超先進ユーザーと推測される。

 こうした人たちは、(現時点のグーグル・グラスのような)試作機レベルの製品が酷評されるのは予め百も承知だし、そもそも、そういった問題のあるうちに使ってみたいと思うようなタイプに違いない。つまり「(本格的に製品化するときには)こう直して欲しい」といった提案をしたいのである。

 仮にグーグル・グラスが首尾よく製品化されるとすれば、その時には今指摘されている技術的問題の多くは解決されているだろう。が、それでもマナー、つまり社会規範上の問題は残る。

 たとえば「誰かと相対しているときに、眼鏡からウエブを見たり、メールを出したりするのは失礼ではないか」「知らないうちに自分の写真を撮られて、ネットにアップされたりしたら嫌だ」「スマホでさえ危ないのに、眼鏡からネットを使えるようになったら、(そちらに気を取られて)人にぶつかったり事故を起こしたり、要するに傍迷惑ではないか」等々。

 グーグルはこれまでに約2000個、今後は約8000個のグーグル・グラス試作機を配布する予定とされる。が、早くも現時点で、グーグル・グラスの持ち込みを禁止するバーが米国内に現れているという。

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