町田徹「ニュースの深層」
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運航再開は決まったが、事故原因は未解明のまま!ボーイングを航空当局の調査が及ばない聖域とした「不安」

2013年05月07日(火) 町田 徹
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〔PHOTO〕gettyimages

 全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)を含む世界の航空8社が、6月初旬までにそろってバッテリーの発火、発煙事故が相次いだ「ドリームライナー」(ボーイング787型機)の運航を再開する。米連邦航空局(FAA)が先月19日、ボーイングの改善策にお墨付きを与えたことに伴う措置だ。航空各社やボーイング、787型機の部品メーカーの経営にとって朗報だ。

 しかし、この決定は、事故原因の可能性がある約80項目について対策を講じることで良しとしたもの。真の事故原因を特定できておらず、利用者の立場からすると、不安と後味の悪さが残る幕引きとなった。

 今回の決定は、多くの死者を出しながら、ボーイングの責任の徹底追及が行われなかった過去の墜落事故を彷彿させる。それは、1966年(昭和41年)に羽田沖に落ちたANA機(ボーイング727-100型機)と、1985年(同昭和60年)に御巣鷹山に突っ込んだJAL機(ボーイング747SR-46型機)の二つの墜落事故である。

 利用者は、当局の調査権限が十分に機能しないサンクチュアリ(聖域)と化しているボーイング機に安心して搭乗できるだろうか。

 従来の中型旅客機より格段に機体が軽く、燃費の大幅な向上と航続距離の飛躍的な延長によって、航空会社の経営を根底から変えるはずだった「夢の航空機・787型機」が、泥沼の運航停止騒ぎに見舞われる発端になったのは、1月7日に起きた発火事故だった。

 米東海岸の古都ボストンにあるローガン国際空港で乗員、乗客を降ろして駐機していたJAL機の2つある電池室のうち機体後部に位置する方の電池室のリチウムイオン電池モジュール(大型のリチウムイオン電池を8個連結したもの)から火が出たのだ。

次ページ  ボストンと成田を結ぶ路線は、…
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