高橋洋一「ニュースの深層」
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始球式でも背番号「96」で登場!安倍首相が提案する「憲法96条」を改定しても日本の憲法改定難易度は世界的にみて低くない

2013年05月06日(月) 高橋 洋一
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 5月5日の巨人-広島戦の前に、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏に国民栄誉賞が贈られた。その後の始球式では、松井氏が投手、長島氏が打者で始球式を務めた。その時、安倍晋三首相は球審役として巨人軍のユニフォームを着たのだが、その背番号は「96」だった。

 第96代首相だからというのが公式の説明だが、改正が浮上している憲法第96条を連想した人も多いに違いない。安倍首相が「96」にこだわったのかもしれない。

 昨年の自民党総裁選では、当初は出身派閥から町村信孝氏が出馬し、分が悪かった。元首相だけに負ければ政治生命が終わりという背水の陣で臨んだところ、町村氏の急病という幸運とともに、リフレ政策を訴えるという政治勘が冴えまくって奇跡の勝利をした。その後は、やることすべてが当たっている感さえある。

 外遊先で憲法改正を打ち出したが、帰国後の記者会見では憲法改正について「まだ十分に国民的議論が深まっているとは言えず、熟議が必要だ」と表向きはローギアだった。だからこそ、ユニフォームの背番号で訴えたかったのだろう。

本格的な地方分権には憲法改正が必要

 筆者のように、立法ビジネスをしている者にとって、憲法の壁はなかなか高い。いろいろな議論も憲法でダメと言われると頓挫してしまう。

 たとえば、道州制など地方分権も本格的に行おうとすると、憲法改正が必要になってくる。地方への権限委譲のために、地方の条例制定権を自立させようとすると、憲法94条の改正が必要になってくる。憲法94条では「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」とされてるが、あくまで「法律の範囲内」でしかできない。アベノミクス特区も、あくまで国にお願いして作ってもらうという立場だ。

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